FILE NO 672 宮崎と周辺の植物
クロキ Symplocos lucida Sieb.et Zucc.
黒木 ハイノキ科
撮影日 2012.1.15
撮影場所 宮崎市

 岡山、鳥取県以西、四国、九州鹿児島県と韓国済州島に自生するという常緑の小高木で、宮崎で照葉樹林で珍しくないが特に海岸林に多く見られる。
 分布域が西南日本に限られるためか記載がない図鑑等もあるが、学名の「lucida」は、強い光沢がある、の意と言いシーボルトも照葉樹らしい特徴に着目したのではなかろうか。
 クロキは樹皮が黒いからと解説されているが、確かに若い小枝に比べて古い枝は黒い。
 因みに宮崎県で最も多い名字は黒木だが、関係は不明。
画像1 12月~1月にかけて咲く奇形花、通常の花は3月頃に咲く
画像2 画像1と同じ樹に昨年咲いた通常の花で遠くからでも見える。
撮影:(2011.3.12  宮崎市) 
画像3 海岸林の木々の間で、上に伸びる性質も発揮して適当に伸び、
      横枝もよく発達した標準的な樹形で、樹高も5m以上はありそう。
     撮影:(2020.2.11  宮崎市) 
画像4 (正常花)花は枝先の葉腋のごく短い花序に団子状について花冠幅は約9ミリ。全体白い。
撮影:(2006.3.5 宮崎市) 
画像5 花冠は5深裂、多数のオシベは花冠の外に飛び出す。メシベ花柱は棒状で細い。
撮影:(2007.2.18  宮崎市) 
画像6 通常(正常)の花。葉腋で葉柄部を隠すように小さく集合して咲く。
撮影:(2011.3.12  宮崎市) 
 
画像7 画像6の樹で通常花より2か月早く咲いて殆ど目立たない奇形花。
撮影:(2012.1.13  宮崎市) 
画像8 (奇形花)5深裂した淡緑色の花冠は差し渡し9ミリほどで反り返る。
撮影:(2012.1135 宮崎市) 
画像9 (奇形花)メシベ花柱は膨らんだ子房部から徐々に細くなる通常型。
撮影:(2012.1.13 宮崎市) 
     
 画像10 (奇形花)花柱拡大画像。そのまま果実になりそうな形状をしている。
撮影:(2012.1.13 宮崎市) 
   画像11 (奇形花)花序の側面画像。花序は葉腋の少し上側法から出ている。
撮影:(2012.1.13 宮崎市) 
 
 画像12 葉は互生して大きさ形状は変化大、鋸歯は原則低いが多様。
撮影:(2012.1.13  宮崎市) 
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画像13 葉はやや淡緑色の革質、長さ4~5cmから9~10cm程度で光沢が強い。葉柄長約1cm。
撮影:(2004.12.16 宮崎市) 
画像14 若枝の淡緑色はやがて灰黒色の表皮に覆われて全体が黒っぽくなる。
撮影:(2004.12.16 宮崎市) 
画像15 葉上面。主脈だけが少し隆起して、鋸歯はないものから目立つものまで変化が多い。
撮影:(2009.12.22 宮崎市)
画像16 葉下面。脈は主脈だけが隆起する。葉縁は少し下側に曲がる。透視性は悪い。
撮影:(2010.12.3 宮崎市) 
画像17 枝先の無毛で艶のある淡緑色の小枝には稜がある。 撮影:(2011.1.15 宮崎市)  画像18 樹皮はやや赤みのある灰黒色で小さな小突起が出る。 撮影:(2012.1.13 宮崎市)
     
画像19 若い果実。長さ1.5cmほどの楕円形で先は萼片残骸が残って突出。撮影:(2009.5.30 宮崎市)     画像20 黒紫色に熟した果実はやがて先端部が破れて種子を放出する。撮影:(2010.12.3 宮崎市)
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