FILE NO 581 宮崎と周辺の植物
クサアジサイ Cardiandra alternifolia Sieb. et Zucc.
草紫陽花 ユキノシタ科
撮影日 2006.8.14
撮影場所 県北部山地

 学名の「Cardiandra」は、心臓「cardia]とオシベを意味する「andron」の合成で、幕末のオランダ医師シーボルトが作った新属クサアジサイ属の特徴を意味するという。
 彼の名による色刷りの植物図鑑「フローラ・ヤポニカ」にある150枚の図版中、このクサアジサイを描いた詳細な図版が2枚あるが、オシベの図は確かに、両方の肺に挟まれた心臓のように見える。
 画像6では小さくてはっきりしないが、キーワード「シーボルト・コレクション」で図版検索が可能。
画像1 山地の薄暗い傾斜地、色彩に乏しい林床もこの時期だけは、地味ではあるが淡い紅色の花で少し賑わう。 alternifolia は互生葉の意味。
  
画像2 普通は高さ40〜 50cmほどの多年草で、殆んど枝を出さない。
   谷脇の樹林下などに自生し、茎葉全体が柔らかそうに見える。
 撮影:(2007.8.18 椎葉村)
画像3 花は普通淡紅色、両性花の外側に花弁のように見える
 ガク片3個からなる中性花があるのですぐに分る。
撮影:(2006.8.14 県北部山地)
画像4 花は茎頂に小規模の散房花序となって開き、両性花の小集団に1個の装飾花(中性花)がある。
撮影:(2004.8.7 県北部山地)
画像5 茎は普通分枝することなく真っ直ぐ伸びて、葉を互生する。茎には白色の短毛がある。
撮影:(2006.8.14 県北部山地 )
画像6 両性花は花弁5個が平開して直径7ミリほどになり、オシベ約20個も淡紅色。
撮影:(2006.8.14 県北部山地 )
画像7 オシベは、糸状の花糸の先の小さな2室になった葯が、心臓に似ているらしいが。
撮影:(2007.8.18 椎葉村)
画像8 装飾花は普通3個のガク片だが、時にガク片4個の花もある。大きさは2cmほど。
撮影:(2007.8.18 椎葉村 )
画像9 花軸や小花柄には荒い短白毛が密生する。両性花のガク筒は子房と合着、ガク裂片5個は三角状。撮影:(2007.8.18 椎葉村 )
画像10 互生する葉は草質で柔らかく、長さ10cmほどの披針形で縁の鋸歯は鋭い。 
撮影:(.2006.8.14 県北部山地)
画像11 葉の下面。葉は先端が鋭く尖り、基部は急に細くなって葉柄に流れる。
撮影:(.2006.8.14 県北部山地)
画像12 両性化の蕾、平開した花、花弁等の落ちた果実。
撮影:(.2006.8.14 県北部山地 )
画像13 まだ未熟な直径2ミリ弱の果実。花柱3個が宿存。
撮影:(.2006.9.21 県北部山地)
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