FILE NO 710 宮崎と周辺の植物
クサボケ(ジナシ、シドミ) Chaenomeles japonica (Thunb.) Lindl ex Spach
草木瓜 バラ
撮影日 2016.8.11
撮影場所 鹿児島県霧島市

 
青森県~九州にまで分布するという日本の特産種で、日当たりの良い丘陵地草原等に生える。相当数の県で絶滅危惧種に指定されている原因は自生環境の減少で、ほぼ南限地に当たる宮崎県でも霧島一帯の高原で見かける機会は減少している。果皮が半分病変したらしい画像の果実は別名地梨を納得させるが、10月頃に黄熟する果実は酸っぱくて食べられない。
  画像1は、画像2の花を撮影した場所で毎年観察を続け、2011年の新燃岳(霧島連山)大噴火の火山灰を浴びながら、9年目の今年ようやく確認できた果実である。
画像1 高地を走る道路わきの法面草地に点在する株に実った果実
 画像2 未だ冬枯れの草地でいち早く花を咲かせ葉を広げた株。
撮影:(2007.4..20  鹿児島県)
 
 画像3 小さな株は枯草の間から高さ5cmほどに伸び出して花を咲かせ、
      暖かい陽光は花とともに葉にも溢れるほどの色艶を与えている。
撮影:(2013.4.13  えびの市)
 
  画像4 花序の様子。花は葉腋に3~4個がついて葉よりも大きく開く。
      花色はロウを塗ったような鮮やかな朱赤色で目立つ。無毛。
撮影:(2007.4..20  鹿児島県) 
画像5 (両性花)開いた花は差し渡し3cm弱ほどの大きさで、5弁花、同じ株に両性花と雄花がつく。
撮影:(2007.4..20  鹿児島県) 
 
画像6 (雄花)オシベは多数ある。花弁の内側は照りと艶があってやや厚みがありしっかりしている。
撮影:(2007.4..20  鹿児島県) 
 
 
画像7 花弁はほぼ円形で、基部は急に細まってラケットの柄状になってガク筒に入る。
撮影:(2007.4..20  鹿児島県) 
  
  画像8 ガク筒は釣鐘型で長さ5~6ミリ、ガク先は5裂し、裂片は披針形で先は尖る。
撮影:(2007.4..20  鹿児島県) 
画像9 葉腋の蕾。葉と花の大きさの見当がつくが、地面近くにある極低木の小さな葉に対して花は比較的大きい。 撮影:(2007.4..20  鹿児島県)  画像10 幹らしい幹は無く細い枝が多く出る。翌年枝は雑な木質状になる。 トゲは丈夫で堅く触ると指に痛い。 撮影:(2007.4..20  鹿児島県) 
 像11 葉は短枝に車輪状について、小枝は長さ1cmほどの先が鋭い刺になる。
撮影:(2007.4..20  鹿児島県)
 
 
 画像12 葉の上面。成葉は長さ2~3cmほど、鋸歯の先は丸い。無毛、葉柄の長さ5ミリ前後。
撮影:(2007.4..20  鹿児島県) 
   画像13 若い葉でまだ長楕円形をしているがやがて丸みを帯びる。脈は僅かに隆起する。
撮影:(2007.4..20  鹿児島県) 
画像14 果実は枝に下向きに生って見えにくい。この草地で1個見つけた果実だが、
      未だ緑色の筈のこの時期、果皮は半分以上が病害虫のせいか梨色に変色
撮影:(2016.8.11  鹿児島県) 
 
画像15 果実は柄が短く殆ど枝に直接つくように見える。形はやや扁平で9~10月に黄熟する。
撮影:(2016.8.11  鹿児島県) 
  画像16 果実は、高さ約1.5cm、差し渡し2.2cmほどの球形で、頂部は大きく深くへこむ。 
撮影:(2016.8.11  鹿児島県) 
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