FILE NO 698 宮崎と周辺の植物
クサマルハチ Cyathea hancockii Copel.
草丸八 ヘゴ科
撮影日 2015.1.31
撮影場所 宮崎県中部

 
紀伊半島以西の太平洋に面した高知、宮崎、鹿児島県~琉球と、台湾、中国に分布するという常緑性のシダで、県内では中部地域に自生するが多くない。ヘゴ科ヘゴ属とされ、 木本のマルハチに近い性質を持つ草本シダということでクサ(草)マルハチがついたと思われるが、マルハチの特徴である逆八の字の葉柄痕は当然できない。
  似ているからという理由でクサ(草)がついた他の植物の場合はは見比べることもできるが、マルハチは小笠原固有種で似てるかの比較は困難。
画像1 根際から葉身先端部までの長さ約110cm、葉柄部が50cm。
葉柄と葉軸の下半部は赤褐色。小羽片に撚れや荒れの感じがする。
画像2 ほぼ90度近い傾斜地から垂れるように生えた株を上から見た草形。
      葉身下部の2回羽状複葉は下部近くが最長、先端部にかけて1回羽状
   複葉となり羽片の長さは徐々に狭く小さくなって先端は細長く尖る。
 撮影:(2015.1.31  宮崎県中部)
 画像3 葉の下面上半部を下から見上げて撮った画像で、ぎっしりとついた
   ソーラスは小さくて分かりにくいが、肉眼で見ると迫力がある。
撮影:(2015.1.31  宮崎県中部)
 
画像4 先端近くの(画像3の右部)羽片の画像。 小羽片の表面はソーラスのついた位置の膨らみが目立つ。 撮影:(2015.1.31  宮崎県中部) 画像5 小羽片の拡大画像。小羽軸には黒短毛がある。羽片上面は無毛だがざらつく感じがある。 撮影:(2015.1.31  宮崎県中部)
画像6 葉身下部では2回羽状複葉で羽片は長さ25cmhほど、小羽片は
     長さ約3~4cmで羽状に浅~深裂。裂片先は丸くて鋸歯がある。
撮影:(2015.1.31 宮崎県中部)
  
 
画像7 葉身上部の羽片下面。羽片の長さは7~8cmになる。ソーラスがつき始めている。
撮影:(2015.1.31 宮崎県中部)
 
  画像8 小羽片裂片の小脈の分岐状況とソーラスのつく位置。小羽軸下面には丸っこい鱗片がある。撮影:(2015.1.31 宮崎県中部) 
画像9 先端部に向かって狭くなる1回羽状複葉部分では、葉軸部の羽片
       付け根の前後に小さな狭い翼ができ、上から見るとはっきり目立つ。
撮影:(2015.1.31  宮崎県中部)
 
画像10 ソーラスは裂片の中肋と縁との中間、支脈の中程につく。 
撮影:(2015.1.31  宮崎県中部)
画像11 (この時期賑やかな色になる)ソーラスに包膜はなく大きさは直径0.9ミリほどの球状。 撮影:(2015.1.31  宮崎県中部)
画像12 羽片全体を見た時のソーラスの付き方は、羽片基部の裂片から
     羽片の軸に沿って不規則に(4段)、2段、1段と数が減ってゆく。
撮影:(2015.1.31. 宮崎県中部)
 
 
画像13 上部に近い葉柄。鱗片は上の方が少なく下方に従って多くなる。赤褐色の葉柄は下方に従って濃くなる。 撮影:(2015.1.31  宮崎県中部) 画像14 最下羽片近くの葉柄。明らかに狭披針形の鱗片が密生している。羽片軸も同じ。
撮影:(2015.1.31  宮崎県中部)
 
画像15 基部近くの殆ど黒い葉柄には明らかな狭披針形赤褐色、長さ4~5ミリほどの鱗片がある。撮影:(2015.1.31  宮崎県中部)    画像16 崖地で一部が露出した根茎部。鱗片は長く美しい褐色で密生して根茎全体を覆う。
撮影:(2015.1.31  宮崎県中部)
 
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