FILE NO 644 宮崎と周辺の植物
クスドイゲ Xylosma congestum (Lour.) Merr.
くすどいげ イイギリ科
撮影日 2009.11.22
撮影場所 西都市

 福井県以西〜台湾、朝鮮南部、中国〜インドシナ、フィリピンにあるという雌雄異株の常緑樹小高木で、変わった和名を持っているが、トゲを意味するイゲについたクスドは不明。
 牧野図鑑では意味不明としながらも、トゲをハリネズミの背中の針に見立て、ハリネズミの古名クサフとトゲから、クサフノトゲが変化した説があると説明されている。
 宮崎でも海近くの林内で見かけるが、異様に大きくて鋭いトゲだけが目立って不規則な横枝が伸びる樹である。
画像1 昔から地域で大事に管理している川の堤防にある大きな古木、特徴的なトゲもなくなった枝から伸びた小枝で色づきかけた果実。
画像2  クスドイゲの名のとおり、若い枝や幹には側枝が変わった不規則な太く鋭い
   刺があり、長いものでは20cm以上にもなって人も動物も寄せ付けない。
 撮影:(2007.1.13  串間市)
画像3  雌雄異株で花は葉腋につくがガク片、オシベとも黄白色で小さく殆ど目立たない。
撮影:(2009.10.4  西都市)
画像4  画面右のアラカシに負けないほどに伸びたクスドイゲは(画面中央)、高さ8mはありそうな大木。  撮影:(2009.11.22  西都市) 画像5 相当な古木で直径20cmはありそうな幹の樹皮にトゲはなく、縦に細いひび割れが生じている。  撮影:(2009.11.4 西都市)
画像6 雄花は葉腋に総状花序となってつくが、葉腋で小さくまとまって、
  八方に広がった白いオシベも葉の陰に隠れて殆ど目立たない。
 撮影:(2009.10.4 西都市)
画像7 オバナに花弁はなく楕円形をしたガク片4個がある。短い花序の軸には微毛がある。
撮影:(2009.11.4 西都市)
画像8 オバナはガクが直径3ミリほどに開き、長さ4ミリほどのオシベが外に多数広がる。
撮影:(2009.10.4 西都市)
画像9 メバナは、枝先や葉腋、古い葉腋箇所について淡黄緑色で小さく、
       花序に団子状についてオバナよりさらに小さく子房が虫のように見える。
 撮影:(2009.10.4 西都市)
画像10 枝先端に着いた雌花序。子房が僅か赤褐色に見える。  撮影:(2009.10.4 西都市) 画像11 メバナは高さ3ミリほどの徳利状で柱頭は浅く3〜4裂する。 撮影:(2009.10.4 西都市)
画像12 果実は球形で葉腋に小さく団子状になってつく。 撮影:(2009.11.22 西都市) 画像13 果実は緑色〜赤紫色〜熟して黒色になり直径5ミリほど。 撮影:(2005.11.18 宮崎市)
画像14 若い枝のトゲ。左から伸びたトゲは幹から出たトゲ。 撮影:(2005.2.16 串間市) 画像15 縦にひび割れが生じた年数の経った樹幹のトゲ。 撮影:(2005.11.20 串間市)
画像16 成長期の樹幹から伸びた枝のある赤褐色のトゲ。 撮影:(2005.11.18 宮崎市) 画像17 トゲもなくなり樹皮が剥離している古木の樹幹。 撮影:(2009.10.4 西都市)
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