FILE NO 711 宮崎と周辺の植物
マコモ Zizania latiforia Turcz.
真菰 イネ
撮影日 2016.10.8
撮影場所 宮崎市

 
北海道~九州~琉球・台湾、シベリア、中国、インドシナにまで分布するというイネ科の大型多年草で、沼等の水湿地に群生する。宮崎県でも平地の川岸や沼等で見られるがアシやガマなど似た植物と混生しているので判りにくいが、花の時期に水辺で注意すればそれなりに美しい花が目につく。
  古くから知られた植物で、延喜式(927年)には粽の材料や湯あみ用として朝廷に供え奉る年料と定められていたという(日本植物文化誌、有岡利幸、八坂書房2005年)。
  石原裕次郎と浅岡ルリ子が歌った「夕日の丘」にマコモが出てくる。
画像1 住宅が密集する市街地を流れる小さな川に繁茂したマコモ。
 画像2 遠くからは見えないが傍まで近寄って行くと、大きな葉に見合った大きな花序が
      葉間に伸びているのが見える。花の色はイネ科の花とは思えないほど鮮やか。
撮影:(2016.8.31  宮崎市)
 
 画像3 大きな円錐状に開くこの花序は高さ55cmほどもあり、多くの枝を伸ばして
    濁った赤紫色の雄花が目立つ。垂れた小さな雄花は風に揺れて踊る。
撮影:(2016.8.31  宮崎市)
 
  画像4 コンクリートの擁壁に囲まれた市街地の真ん中を流れている小川、
       ススキやガマ等の花が終わるのを待ってたようにマコモの花が咲く。
撮影:(2016.8.31  宮崎市) 
画像5 大きな花序は多くの枝を出し、枝の上方に雌小穂、枝の下方に
      雄小穂がつく。画像で花序軸から右斜め上方に伸びた枝の先端
       近くに小さな白い雌小穂が見える。。画面全面に見えるのは雄花。
撮影:(2016.8.31  宮崎市) 
 
 
画像6 枝の下方についた雄小穂、長さ約1cmの護頴が開いて中からオシベが垂れている。護頴は無芒。 撮影:(2016.8.31  宮崎市)      画像7 小穂は花が一つだけ咲く。オシベは6個で長さ5ミリほど。護頴もオシベも濁ったような赤紫色。
撮影:(2016.8.31  宮崎市) 
画像8 枝の上部についた雌小穂で長さ2cmほどの小穂を1個つける。護頴の芒は長く2.5cmほどもある。
撮影:(2016.10.07  宮崎市)
 
画像9 雌小穂は細長い線形状で緑白色、花柱2個の上部綿状になったは柱頭で長さ約3ミリと小さい。
撮影:(2016.8.31  宮崎市)
 
 像10 株は高さ2mほどにもなる茎が束生し多くの葉を拡げて辺り一帯に群生する。
   地下茎で繁殖する。太い根茎は地中に長く横走し先端に越冬芽をつける。
撮影:(2016.10.07  宮崎市)
 
 
 画像11 葉は大部分が根生し長さ1m近くにもなり、最大箇所の葉幅約3cmで無毛だが手で触るとざらつく。撮影:(2016.10.07  宮崎市)     画像12 茎は無毛で平滑、葉は葉身と葉鞘の間で関節し汚赤紫色の長斑点がつく。葉鞘部が長く稈は殆ど見えない。撮影:(2016.10.07  宮崎市) 
 
 画像13 葉の縁は明らかに細かい鋸歯となっている。。無毛だが葉の表裏は手で触ると引っかかる。
撮影:(2016.10.09  宮崎市) 
  画像14 葉の基部は葉鞘に向かって徐々に細まる。白い膜状の葉舌は高さ2cmほどにもなる。
撮影:(2016.8.31  宮崎市) 
 
画像15 花が終わって果期に向かう果序だが果実は目立って膨らむことがない。
撮影:(2016.10.08  宮崎市) 
画像16 果実は長い芒がそのまま残って、開花前の姿と殆ど変らない。
      果実は長さ約1cm、中の種子を噛んでみると適度の粘りがあり
    十分食べられる。米渡来前には食糧だったという説も肯ける
撮影:(2016.10.09  宮崎市)
 
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