FILE NO 204 宮崎と周辺の植物
マツブサ Schisandra nigra Maxim.
松房 マツブサ科
撮影日 2008.11.2
撮影場所 五ヶ瀬町

  北海道〜九州までと朝鮮半島南部に分布しているという雌雄異株、時には同株のつる植物で、図鑑ではウシブドウやマツブドウなどの名もある。
  前はモクレン科に属していたが花粉の違い等から独立してマツブサ科となっている。
  県内では少ないほうだが、時に林道脇等で見かけても、花や果実が小さくて特徴がないので見過ごすことが多い。
 肥後球磨地方では、ヨウラカズラ、シシクビリと呼んで縄代わりにしたという。(球磨の植物民俗誌 乙益正隆著)
画像1  山地の狭い車道の脇、樹の枝から這い伸びた蔓から下がった果実は、ちょうどブドウの房をを小さくしたよう。  蔓は神経痛に効く(松藤湯)に使う生薬「松藤」になるという。
画像2  周囲の木々が紅葉するj時期にマツブサの葉も柔らかくなって色づく。
        果実も熟して葉の間から見えてくるが、房は果柄も含めて長さ10cmほど。
撮影:(2008.11.2 五ヶ瀬町)
画像3  花は、短枝状に束生する葉腋から下がった3〜4cmの花柄の先に、
       目立たない黄白色の花被片が開くが、大きさはせいぜい1.5cmほど。
撮影:(2008.7.19  小林市)
画像4   葉は枝に絡む蔓の節から数枚が広がる。無毛でやや厚みがあり、3〜4対の小さな鋸歯がある。  撮影:(2008.7.27 五ヶ瀬 町) 画像5   オバナ。 花はガクと花弁の区別がなく、内外含めて9〜10個の花被片からなる。
撮影:(2008..7.19 小林市)
画像6  短枝の葉柄基部から伸びた花柄と蕾。小枝には縦に裂け目ができる。
撮影:(2008.7.19 小林市 )
画像7  オバナのオシベ5個は肥厚して合着し、表面縁に開いた白っぽい葯が5つ見える。
撮影:(2008.8.2 小林市 )
画像8  メバナ。.短枝から出た数枚の葉間から伸びた花。
    開いた花被片の中に点状に見えるのがメシベ。
撮影:(2001.7.20 高原町 )
画像9   正面の花の花被片のすき間から、メシベが見える。  撮影:(2008.7.27 五ヶ瀬町) 画像10  花被片が落ちかかって見えやすくなったメシベ。 撮影:(2008.7.27 五ヶ瀬町)
画像11  松の木の枝のようにコルク質が発達してひび割れた小枝。
       マツブサのマツは、松の枝に似ているからとか、枝を折ると
         松の香りがするからといわれるが、両方当てはまる気がする。
撮影:(2008.7.27 五ヶ瀬町)
画像12  葉の間から見えた未熟な果実。若い蔓は柔らかく丈夫。 撮影:(2006.9.24 五ヶ瀬町) 画像13  葉の下面。葉柄は長さ約6cm、葉身は長さ8cmほど。 撮影:(2006.8.6 小林市)
画像14  葉の下面拡大。脈は突出せず網目模様が濃緑色となる。 撮影:(2006.8.6 小林市) 画像15  やや発達した短枝から出た葉柄のつき方と枝の様子。  撮影:(2008.8.2  小林市)
画像16  果実は、直径1.3cmほどの球形で藍黒色に熟すが、表面に白い粉がつく。
撮影:(2008.11.2  五ヶ瀬町)
画像17  果実には種子が1〜2個がある。種子は直径6ミリほどの扁平な腎形、縦横の皺状の突起がある。 撮影:(2008.11.2  五ヶ瀬町)
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