FILE NO 692 宮崎と周辺の植物
ミソハギ Lythrum anceps (Koehne) Makino.
禊萩 ミソハギ科
撮影日 2014.8.20
撮影場所 宮崎市

  北海道~四国、九州鹿児島市辺りまでの日本と朝鮮
半島に分布するという多年草で、地下茎から直立分枝して、湿った草地や田んぼ脇の空地等に群生していることが多い。
  和名は禊萩(ミソギハギ)が略されてミソハギになったそうで、仏前等を清めるために水に浸したこの花で水を振りかけてけがれを払う、また飾るなどの盆花として広く使用され、宮崎でも広く使われていたという。
  今では 栽培菊等を購入する方が早く、この花を飾る家は少ない。 花がよく似たサルスベリは、同じミソハギ科ながらサルスベリ属になる。
画像1 林縁の湿った草地、タデ類等に負けないよう高く伸びて開花
画像2 田んぼの溝に接した林縁草地、1mほどの高さに群生した株。
 撮影:(2009.7.19  都城市)
 
画像3 株全形。高さ約1m、茎上部で分枝してそれぞれの枝先に花をつける。草形は細くすっきり。
撮影:(2014.8.20  宮崎市)
 
  画像4 茎の上部の分枝。花は段状に集まって咲く。分枝を繰り返すようなややこしい草形にならない。
  撮影:(2009.7.19  都城市)
 
画像5 花は苞葉の脇に3~5、6個がやや対生状について段状になる。花弁は普通6個で開花時の大きさは差し渡し3cmほど。
撮影:(2014.8.20 宮崎市)
画像6 段状についた花を近くで見る。最上段には未だ苞葉が残るがその下段ではもう落ちている。ガク基部の柄は長さ約1ミリ。
撮影:(2009.7.19 都城市)
画像7 オシベ12個は長さに長・中・短3種がある。メシベは5ミリほども突き出る。花弁はガク筒の上端部について基部は細い。撮影:(2014.8.20  宮崎市) 画像8 ガク片は6個で三角形、ガク片の間につく針状の付属片は横向きにつく。ガクは稜線が明確な円柱形で長さ約8ミリ。撮影:(2014.8.20  宮崎市)
画像9 葉は十字対生で真上から見ると規則正しい4列に並ぶ。全体無毛で細い
 撮影:(2009.7.19  都城市)
画像10 (葉の上面)。葉柄は無く脈は浅くへこんで鋸歯は無い。下半部が最大幅になる。
撮影:(2014.8.20  宮崎市)
画像11 葉の上面拡大画像。肉眼では見えないがごく小さな気泡状の膨らみが無数にある。
撮影:(2014.8.20  宮崎市)
画像12 葉の長さは大きくて4.5cmほど。下面はやや白っぽい。脈は突出していて目立つ。
撮影:(2014.8.20  宮崎市)
画像13 葉の下面拡大画像。上面と同様に、肉眼では見えないほどの小さな無数の膨らみがある。
撮影:(2014.8.20  宮崎市)
画像14 上部の茎は角があって方形。節部はやや赤みを帯びている。全体に艶があって円滑。
撮影:(2014.8.20  宮崎市)
画像15 茎の下部は丸くて赤みを帯びる。表皮が不規則に剝がれて円滑を失う。
撮影:(2019.7.19  都城市)
 
画像16 花が終わって間もない若い果実。果実は宿存するガク筒に包まれたまま熟す。
撮影:(2014.8.20  宮崎市)
  画像17 ガク筒ごと若い果実を破って見ると、中から長さ約1ミリの楕円状未熟種子がこぼれてきた。
撮影:(2014.8.21  宮崎市)
 画像18 根茎は地下で太く横に伸びて這い、分枝して上に新株を伸ばす。
       茎は高さの割には直立して細いが、根茎は驚くほど太くて堅い。
撮影:(2014.8.20  宮崎市)
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