FILE NO 27 宮崎と周辺の植物
ミチノクフクジュソウ Adonis multiflora Nishikawa et Ko.Ito
ミチノク福寿草 キンポウゲ科
撮影日 2002.2.24
撮影場所 県西部
葉、果実の撮影は4月3日

 ミチノクフクジュソウは、漢字では陸奥福寿草と言う意味だと思っているが、最近になって命名されたばかりでまだ解説が無い。
 宮崎県でも県西部周辺に比較的最近まで自生していたそうだが、 現在ではその自生地は消滅してしまった。
 この写真は、町内で熱心に植物の保護活動をしている篤志家のお宅の庭で撮影させてもらったもの。
この辺りは、冬になれば冷え込んで、冷たい風が吹く農村地帯である。
花は開いた状態だが、葉はまだ展開していない。 花弁は普通10〜15枚ほどだが、ここのミチノクフクジュソウは11枚となっている。
完全に開いた花弁。 フクジュソウの仲間は密腺を持たないそうだが、進化の途中で思い切った選択をした理由は何だろう。
萼片は花弁より明らかに短く、花弁の先端が赤褐色を帯びるのがこの種の特徴なので見分けに役立つ。 蕾は萼片に包まれて目立たない。
果実は普通35個ほどの痩果が集果となって花托について球形になる。 羽状に切れ込んだ葉と花梗先端の集果。
曲がった短い柱頭が見える痩果が熟して落ち始め、落ち残った痩果が5つ果托に付いている。 葉柄の基にある対生する切れ込んだ葉片。
葉の表(無毛) 葉の裏(無毛)
左がシコクフクジュソウ、右がミチノクフクジュソウ
葉、果実、花梗、果托、痩果が比較できる。
果実の比較。左がミチノクフクジュソウ、右がシコクフクジュソウ。三角定規の数字はcm。
下に敷いた紙に落ちた痩果を運ぶアリ。
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