FILE NO 591 宮崎と周辺の植物
ナガサキシダ Dryopteris sieboldii (van Houtte ex Moore) O.ktze.
長崎シダ オシダ科
撮影日 2007.2.3
撮影場所 木城町

 シダの中でも大グループを構成するオシダ科の中で特に多くの種を抱えるオシダ属にあって、ナガサキシダは頂羽片と側羽片が同じ形をしているのが特徴となっている。
 九州ではそう珍しくはないが、千葉県以西の本州、四国ではあまりないシダらしい。
 宮崎では、樹林内のあまり湿気の多くない薄暗がりで見られ、葉の枚数、形から他のシダとは一目で見分けられる独特の常緑性のシダ。長崎は最初に取られたとされる地名だがオオミツデの名もある。
画像1 県道脇の広葉樹林内、シダ類やフユイチゴに混じって大きな目立つ葉を広げたナガサキシダと、葉に止まったシジミ蝶の一種(?)。
画像2 葉は二形で、画像中央部が胞子のつく実葉(胞子葉)、
       下側の深緑色をしたのが裸葉(栄養葉)で、形も少し違う。
 撮影:(2007.2.3 木城町)
画像3 栄養葉の側羽片は2〜3対、長さ30cmほどで中肋の白味がやや目立ち、ほぼ全縁で先は細く尖る。 撮影:(2007.2.3  木城町) 画像4 画像3の拡大。葉は革質で厚くていかにも重そうな感じ、上面は濃い緑色で脈は見えない。  撮影:(2007.2.3 木城町)
画像5 上部の側羽片は殆んど無柄だが、下部側羽片はごく短い柄がある。葉は殆んど無毛。
撮影:(2007.2.3  木城町)
画像6 胞子葉の側羽片は栄養葉側羽片に比べて幅が狭く、葉縁も僅か波状になる。
撮影:(2007.2.3  木城町)
画像7 側羽片上面の拡大。目立たないが脈は浅い溝となって葉縁まで伸びる。 
撮影:(2007.2.4  綾町)
画像8 下面はやや白味を帯びて、中肋から出た脈は2〜 3回枝を分けて縁まで走る。
撮影:(2007.2.4  綾町)
画像9 胞子葉の下面。胞子嚢群は中肋の周囲に幅広くつく。 撮影:(2007.2.3 木城町) 画像10 胞子嚢群は円形、黒っぽく小さく見える包膜は早く落ちる。 撮影:((2007.2.3 木城町)
画像11 胞子葉の葉柄は栄養葉の葉柄より長くて50cmほどある。撮影:(2007.2.3 木城町) 画像12 鱗片は葉柄基部に多くて、上部に行くほど減ってくる。 撮影:(2007.2.3 木城町)
画像13 褐色の鱗片は線状披針形で長さ2cm近い。基部に密生しているが上部に行くほど短く疎らになる。 撮影:(2007.2.3 木城町) 画像14 根茎は太く短い。鱗片に覆われたまとまりの中から少数の葉が斜上する。
撮影:(2007.2.4 綾町)
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