FILE NO 313 宮崎と周辺の植物
ナギナタコウジュ Elsholtzia ciliata (Thunb.) Hylabder
薙刀香需 シソ科
撮影日 2005.10.23
撮影場所 川南町

 和名の香需は中国名から来ており、正確には需の上に草冠がついたコウジュ。
 花穂が薙刀のように少し反り返った香需を意味するが、中国雑草原色図鑑では、学名もこのとおりで、ただの香需(草冠のある)として、新疆を除く大部分の省区に均有分布、発汗、利尿用途と記載されている。
 日本でも北海道から九州まで広く分布し、シソとハッカを合わせたような香気があるとされ、中国と同様、風邪の発汗・解熱に効く生薬:「香需」として知られている。 
画像1 あまり反り返ってないが、長さ8cmほどある花穂の特定の方向に向いて咲いた淡紅紫色の花は柔らかい感じで、強い香りがある。  種小名「 ciliata」は、ふちに毛のある意味で花冠の毛を表す。
画像2 林道脇に花を咲かせた高さ60〜70cmほどの株の小群落、
   立ち入って葉に触れると、独特の香りが鼻と脳を刺激する。
撮影:(2005.10.23 川南町)
画像3 枝先で上向きに伸びた花穂の片側に揃って開いた花、オシベは花冠から飛び出す。
撮影:(2005.10.23 川南町)
画像4 環境と時期にもよるが全草に白い軟毛が密生し、方形の茎や葉柄ではよく目立つ。
影:(2006.11.4 五ヶ瀬町)
画像5 花穂の花が見える反対側に特徴のある苞が左右2列に並ぶ。苞のふちには短毛がある。
撮影:(2005.10.23 川南町)
画像6 苞の形は、中心〜やや上の幅が最も広く毛が無いのが特徴(苞だけを取り出して撮影)。
撮影:(2006.11.4 五ヶ瀬町)
画像7 花冠は筒状で外面に毛が多く、先が4裂して裂片のふちは細かく裂けて毛状になる。
撮影:(2005.10.23 川南町)
画像8 長さ5ミリほどの花冠から突き出たオシベ
4個は下2個が長く、短いガクは5裂し先は尖る。
撮影:(2005.10.23 川南町)
画像9 葉は対生、縁にそろった鋸歯のある卵形で長さ4〜8cm、基部は3cmほどの柄になる。
撮影:(2005.10.23 川南町)
画像10 葉柄の毛と、花が終わって顕著な薙刀状に反り返った花穂。
撮影:(2006.11.4 五ヶ瀬町)
画像11 葉の下面に目立つ腺点(油点)、匂いの素になる成分が分泌される。
撮影:(2005.10.23 川南町)
画像12 果穂は淡紅紫色の花冠の色を失っているが、まだ強い香りを出す。
枯れて毛状になった花冠裂片のへりはそのままの形で、中に4分果を持つ。
撮影:(2006.12.3 三股町)
画像13 枯れた花冠を指で押しつぶすと、中の分果が外に出て見える。撮影:(2006.12.3 三股町) 画像14 分果は長さ1ミリほどの扁平な長卵形。
撮影:(2006.12.3 三股町)
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