FILE NO 82 宮崎と周辺の植物
ナンバンギセル Aeginetia indica L.
南蛮煙管 ハマウツボ科
撮影日 2002.8.20
撮影場所 小林市

 北海道〜琉球、中国〜インドネシア、インドまで分布するというススキやミョウガ等に寄生する1年生の寄生植物で、これはススキの根に寄生したもの。
 万葉の時代は「オモイグサ」という名前で歌にも詠まれていたが、桃山の頃にタバコが外国から入ってきたとき、この花がパイプに似ていることから「ナンバンギセル」と言われるようになった。
(前川文夫氏の本から)
 オモイグサ(思い草)も花の感じが出ていい名前だと思うのだが。
 全草を乾燥させたものを煎じて飲めば喉のはれに効くという。
画像1 根際から高さ15cmほどの花柄の先端に花を1個つける。
画像2 花冠が白っぽく先端が淡紅色の花。大きさは普通だが、ガクの丸みや
      花冠裂片の縁の鋸歯の形など標準的とは言い難い部分がかなりある。
(2007.9.15 都城市) 
 
画像3 長さ3.5cmほどの蕾。ガクには淡紫色の縦筋があり、明らかにガクの先は鋭く尖っている。
(2002.8.20 小林市)
画像4 花冠を正面から見た画像。浅く5裂した花冠裂片の先は鋸歯が僅かにある。
(2002.8.20 小林市)
 
画像5 普通に見る標準的なナンバンギセル。ガクの先の尖り方は鋭い。(2002.8.20 小林市)    画像6 花冠裂片の先に変化が多く、特に変わったタイプ、大きさは普通。(2007.9.15 都城市) 
 
画像7 花冠内部を正面から見た画像。奥にオシベとメシベが見える。花冠の長さ(深さ)は3.5cmほど。
(2011.9.11 都城市) 
  画像8 花冠を破り取って内部を横から写した画像。黄色の丸い柱頭の下方にオシベが見える。
(2013.10.2 宮崎市) 
 
画像9 花冠を破り取った画像でオシベが長いメシベの先の黄色い柱頭に接しているのが判る。
(2013.10.2 宮崎 市) 
  画像10 花冠が落ちて大きくなった未熟果が露出している(果皮を一部取り除いた)。高さは約2cm。
(2013.10.2 宮崎市) 
 
画像11 果柄がぐにゃりと縮んで植物体の基部に近づき、果実が宿主ススキの根に接して発芽の条件が揃う。 (2013.10.2 宮崎市)    画像12 左がナンバンギセルの根部で、右が寄生した宿主ススキの根だが、細い根が多く錯綜して寄生根は把握できない。 (2013.10.2 宮崎市) 
 
画像13 (参考)大きさ、花冠、 花の色、ガクの形からこれはオオナンバンギセルに近いもの。
(2010.10.22 宮崎市) 
  画像14 (参考)左の花冠裂片の拡大画像。5裂した花冠は同形で、縁には規則正しい小鋸歯がある。 (2010.10.22 宮崎市) 
トップへ 科名リストへ