FILE NO 235 宮崎と周辺の植物
ナツフジ Millettia japonica ( Sieb. et Zucc.) A.. Gray
夏藤 マメ科
撮影日 2007.8.11
撮影場所 西米良村

 ナツフジと名前がついているが、フジとは大きさが全く違うので迷うことはない。フジ属とナツフジ属の検索表上での正確な違いは、フジの旗弁内側基部にある突起がナツフジにはないことであるが、画像5及び7と、ヤマフジの画像3を比較すると少しは見えてくる。
 東海道以西、四国、九州の山野に自生するが、宮崎ではヤマフジのように高木に高く巻き上がった蔓になることは少なく、手を伸ばせば届くような位置で花を見る事ができるほどの大きさである。
画像1 普通はせいぜい2〜3mほどの長さの蔓で、花も蔓を引っ張れば届くほどの範囲に咲く。この画像も目の高さで撮影した。 夏の土用の頃に花が咲くので、ドヨウ(土用)フジともいう。
  
画像2 道路山側の崖地に垂れ下がった蔓、普通は全体が両手を広げた範囲に
       納まるぐらいの大きさの落葉性の蔓。 撮影:(2007.8.11  西米良村 )
画像3 今年伸びた葉腋から葉とほぼ同長の12〜13cmほどの長さの総状花序を伸ばし、基部から順に花を開く。  撮影:(2007.8.11 西米良村 ) 画像4 花はやや黄色がかった白色で、ガクも含めて長さ1.4cmほどの蝶形花。
撮影:(2007.8.11 西米良村 )
画像5 旗弁は直径1cm強の倒卵形、外側に見える翼弁は内側の竜骨弁よりやや短い。
撮影:(2007.8.11 西米良村 )
画像6 翼弁を取り外した画像。オジベ゙10個の内、旗弁側の1個だけは離生して短い。
撮影:(2007.8.11 西米良村 )
画像7  取り外した旗弁。内側基部には目立つような突起状の付属物は無い。
撮影:(2007.8.15 宮崎市 )
画像8 ガクは広卵形で長さ約3ミリほどで先は浅く5裂する。小花柄は長さ約5ミリ。
撮影:(2006.7.29 西米良村 )
画像9 葉は奇数羽状複葉で、5対前後の側小葉がついて普通長さ14cmほど、両面とも無毛。撮影:(.2007.8.11 西米良村) 画像10 小葉は長さ3cm前後、長さ1.5ミリほどの小葉柄があってフジと違って先は鈍頭.。ヘリは波打つ。  撮影:(.2007.8.11 西米良村)
画像11 側小葉の下面。側脈は3〜 4対で荒い網目を作って閉じる。
撮影:(.2007.8.11 西米良村)
画像12 蔓は細くて左巻き(根ぎわから上を見て反時計回り)、赤褐色で皮目が目立つ。
撮影:(.2007.8.15 宮崎市)
画像13 日当たりの良い川岸で、枝葉を広げてまとまった形になった株、
   小ぶりの緑の葉と、賑やかに垂れ下がる白い花は盆栽に向く。
撮影:(2006.8.14 日向市 )
画像14 まだ花の時期だが、早く咲いた花序は、いち早く果実(豆果)をつける。 豆果はフジと違って無毛。  撮影:(2007.8.11 西米良村) 画像15 まだ未熟な赤褐色の豆果。長さ15cmほどで外から種子の位置が良く見える。
撮影:(2006.9.21 西米良村) 
画像16 熟した豆果は紫褐色になり、直径1cmほどのほぼ円形の種子が8個前後入る。
撮影:(2006.10.22 日向市)
画像17 種子は扁平で全体に斑紋があり、果皮とは小さな楕円形の臍で繋がっている。
撮影:(2007.1.13 串間市)
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