FILE NO 444 宮崎と周辺の植物
ナツハゼ Vaccinium oldhamii Miq.
夏黄櫨 ツツジ科
撮影日 2010.6.28
撮影場所 県北部(全画像)

 
北海道〜鹿児島県の旧大口市辺りまでと、朝鮮〜中国南部に分布するという落葉性の低木で、宮崎では県の西部と北部山地で見られるが数は少ないという。
 ツツジ科なのにハゼとついている理由は、この樹の葉が夏の頃から早々とハゼのように赤くなるからで、周囲の木々が紅葉する頃には葉はすでに落ちている。
 ツツジ科スノキ属はシャシャンボやスノキ等のように食べられる果実が多く、このナツハゼも酸味のある独得の味が昔から知られていて、ブンブクチャガマやハチマキブドウなど花や果実を形容した地方名で親しまれていたらしい。
 果実が小さいので生食には両手に一杯集める必要がありそうだ。
画像1 不規則に分枝した太い枝から横に伸びた今年枝の枝先、葉陰になった総状花序に数えられる程度ついた小さな花。(小雨のぱらつく日に撮影)   ブルーベリーもこの仲間。
画像2 果実が熟す頃には枝の葉は紅葉し始めている。この画像で
      不規則に広がった大枝小枝が入り組んだ樹形の様子が分かる。
 撮影:(2008.9.13 )
画像3 高さ2mほどの全体の樹形、基部から立ちあがった幹は途中で枝を
      分けて主幹が消え、分枝を繰り返して入り組んだ複雑な枝組となる。
撮影:(2010.6.28 )
画像4 花は今年枝の枝先に水平に伸びた長さ5cmほどの総状花序に10個ほどが下向きにつく。花柄基部に披針形の苞が見える。 撮影:(2010.6.9 ) 画像5 高さ約4ミリの花冠は浅い壺形。分福茶釜とも呼ばれるような形状で、淡黄緑色に裂片から繋がる膨出部が特に赤くなる。 撮影:(2010.6.28 )
画像6 花序軸や2ミリ弱の花柄には軟毛が目立つ。ガクは先が5裂して尖る。 撮影:(2010.6.28 ) 画像7 直径約4ミリの花冠の先は浅く5裂。裂片は切れ目から反り返って開く。 撮影:(2010.6.28 )
画像8 下から見た花冠。柱頭の周囲を囲んだ橙黄色の葯が見える。左は蕾。 撮影:(2010.6.28 ) 画像9 花冠内部。オシベは10個で短毛がある花糸の先の葯は角ばって太い。 撮影:(2010.6.28 )
画像10 互生する葉は楕円状で柄はごく短い。脈は5〜7で鋸歯はない。
        葉は枝先に行くほど大きく、長さ3〜7cm、幅は4cmほどにもなる。
撮影:(2010.7.2 )
画像11 葉の表面には粗い毛が多く主脈上には特に目立つ。 縁はやや波打つ。 撮影:(2010.6.9 ) 画像12 葉の下面にも粗い毛が散生するが、特に中脈上に多い。撮影:(2010.7.2 )
画像13 葉の縁は鋸歯のように見える、先の尖った腺毛が整然と並ぶ。 撮影:(2010.7.2 ) 画像14 葉柄には軟毛が密生するが中には腺毛が混じっている。 撮影:(2010.7.2 )
画像15 小枝の樹皮は赤褐色で表面がごつごつしている。 撮影:(2010.7.2 ) 画像16 主幹の樹皮は灰褐色で縦筋が入り大きな縦裂片となって剥がれる。 撮影:(2010.6.28 )
画像17 果実は徐々に赤くなって熟し、直径9ミリほどのリンゴ状に黒く熟れる。
撮影:(2006.8.14 )
画像18 果実の先端には5つのガク片の跡がそのまま鉢巻き状に残る。 撮影:(2008.9.13 ) 画像19 周囲の木々が紅葉する頃には果実は水分を失って萎んでいる。 撮影:(2009.10.24 )
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