FILE NO 483 宮崎と周辺の植物
ネズミモチ ligustrum japonicum Tunb.
鼠黐 モクセイ科
撮影日 2012.5.30
撮影場所 宮崎市

 千葉〜石川県ライン以西、琉球〜台湾〜朝鮮〜中国にかけて分布する常緑性の小高木で、宮崎でも農地周辺の林縁から山地に至るまで普通。
 和名は果実がネズミの糞に似たモチノキの意味で、枕草子にもネズモチノ木として出てくるほど古くから知られていたようで、和漢三才図絵には、女貞の木は冬にもめげず青々としていて貞守の操がある・・・、俗に鼠乃久曾というとあるから、ヘクソカズラと違って和名検討の段階で糞の字は回避されたようだ。
画像1  林縁の車道脇に生え、舗装道そばまで伸ばした枝に咲いた花 タマツバキ、タズノキとも云う
 画像2 枝先の果序には多くの果実がついてあまり落ちることなく熟す。
 撮影:(2008.1.19 西都市) 
画像3 高さ4〜5mほどにもなりよく分枝して丸っぽく整った樹形になる
       これは 陽光の当たる高さ3mほどの樹で、枝先の蕾はこれから。
 撮影:(2012.6.7 宮崎市) 
 
画像4 花序は枝先に長さ15cmほども伸びる円錐花序になるが、
     花冠が真っ白で緑の葉と対比させて撮影するのは難しい。
 撮影:(2012.5.30 宮崎市) 
画像5 花は筒状で半ばから先で4裂して差し渡し9ミリの大きさ、オシベ2個と花柱が突き出て見える。撮影:(2012.5.30 宮崎市)  画像6 花冠裂片は平開、ガクは高さ2ミリほどのごく浅く5裂した杯状で長さ4ミリほどの花柱が飛び出す。撮影:(2012.5.30 宮崎市) 
画像7 対生して出る葉はタマツバキの別名があるように厚い革質で無毛、
   光沢がある。新旧の葉では大小、先端の丸み等に変化が多い。
撮影:(2011.12.4 宮崎市) 
画像8 (上面) 長さ3〜8cmの濃い緑色の葉は鋸歯はなく浅くへこんだ主脈以外は殆ど見えない。 撮影:(2012.6.8 宮崎市)  画像9 (下面)長めの葉の下面。白緑色で脈は殆ど見えず僅かに黒っぽい筋が見える程度。
撮影:(2012.6.8 宮崎市) 
画像10 枝には若枝や小枝も含め縦長の白っぽい皮目が目立つ。葉柄は長さ8ミリほど。
撮影:(2012.5.30 宮崎市) 
画像11 幹は灰褐色で柔らかい感じだが、横長の皮目が全体に散らばっている。
撮影:(2012.6.6 宮崎市) 
     
画像12 果実は大きさ1cm弱の楕円形で緑色から紫黒色に熟す。生薬としての漢名女貞はトウネズミモチをいうがネズミモチと差はないという。
撮影:(2011.12.4) 宮崎市
  画像13 果実はまさにネズミの糞に似ていて古くから女貞の字をあててきた。漢方でいう果実を酒に浸けた女貞子酒は強壮、強精に効ありという。
撮影:(2008.1.9) 宮崎市 
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