FILE NO 325 宮崎と周辺の植物
ニワトコ Sambucus racemosa L. subsp. sieboldiana (Miq.) Hara
接骨木 スイカズラ科
撮影日 2007.3.6
撮影場所 宮崎市

 青森県以南に自生する落葉低木で、万葉集に「迎え」に掛かる枕詞「やまたづ」の名で2首出てくるそうで、古くはミヤツコギ(造木)と呼ばれ、転じてニワトコになったと言うが。
 民間薬として発汗や利尿、骨折、打ち身に効くといい、またヨーロッパの民話伝説でも昔からセイヨウニワトコは不吉な象徴とされていたともいう。
 県内ではありふれた木で、昔は腐りやすい枝葉を田に漉き込んで肥料にしたというが、今は木の髄が顕微鏡観察の切片作りに好都合という。
画像1 枝分かれし樹形が定まらないが、横枝の薄黄色の花は目立つ。
画像2 普通の樹形、高さ3〜4mで横に不整な枝を長く伸ばして
    主幹ははっきりしない。 撮影:(2007.3.4 宮崎市 )
画像3 花序は今年枝に伸びだして、遠くからも白く見えて目立つ。  撮影:(2007.3.4 宮崎市) 画像4 花序の基部には4枚ほどの芽鱗が残っているのが分る。  撮影:(2007.3.4 宮崎市)
画像5 円錐花序は、高さ、幅ともに10cmを超えるほどで小花はごく小さい。
撮影:(2007.3.6 宮崎市)
画像6 花序基部の芽鱗は大小対になって、長い方は3cmほどにもなって暫く後まで残る。
撮影:(2007.3.6  宮崎市)
画像7 小花は直径4〜5ミリほどと小さく、花冠は5深裂して反り返る。
      ガク片は5個、オシベは花糸5が星型に開き、中央の花柱は3裂する。
撮影:(2006.3.21 川南町)
画像8 花序の枝の様子。小さなガク片、花弁に包まれた赤いメシベが見える。
撮影:(2007.3.6 宮崎市)
画像9 小花の筒部は反り返った花弁に囲まれて見えない。 撮影:(200.6.3.21 川南町)
画像10 葉は2〜3対の奇数羽状複葉で長さ30cmほどになる。 撮影:(2007.3.4 宮崎市) 画像11 小葉基部に3ミリほどの1対の蜜腺があって先に蜜が光る。 撮影:(2007.3.6 宮崎市)
画像12 若い枝や葉柄の基部は紫色を帯びるが、やがて消える。 撮影:(2007.3.6 宮崎市) 画像13 小葉の下面は柔らかくて軸ともに無毛。
撮影:(2007.3.6 宮崎市)
画像14 葉のヘリの鋸歯は小さいが整然として良く目立つ。 撮影:(2007.3.6 宮崎市) 画像15 枝は褐灰色で縦の線が入り、皮目が点在する。 撮影:(2007.3.6 宮崎市)
画像16 新葉が展開して緑に輝く頃に赤くなる果実は、緑に対比して良く目立つ。
撮影:(2002.6.15 宮崎市)
画像17 果実は大きさ4ミリほどの球形で、大きな房状になり、重みで横に傾く。
撮影:(2005.6.25 宮崎市)
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画像19 枝の淡褐色の太い髄は均質なので、植物の顕微鏡観察で切片を作るのに役立つという。
撮影:(2007.3.6. 宮崎市)
画像19 樹皮は薄い褐灰色で厚いコルク質があって、縦に深い割れ目ができる。
撮影:(2007.3.6. 宮崎市)
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