FILE NO 587 宮崎と周辺の植物
ノブキ  Adenocaulon himalaicum Edgew.
野蕗 キク科
撮影日 2006.10.21
撮影場所 県北部山地

 野のフキの意味で、フキは岩手県〜琉球、朝鮮、中国の暖帯に分布するが、ノブキの方は南千島、北海道〜九州、朝鮮、中国〜ヒマラヤにまで分布し、「himalaicum」の種小名はヒマラヤからきている。
 果実の形もフキとは全く違って、ノブキ属として日本には一種だけがある。
 日当たりの良くない木陰等に生え、宮崎では各地にあるようだが、比較的山地よりで見かけフキほど多くはない。
 果実は腺体で動物の体に付着して移動し増える。 
画像1 果実は山野の動物等にくっ付いて広がり、風で飛ぶフキと違う。
画像2 高さ1m近くなる茎の下部で四方に葉を広げて群生する多年草。
    樹林地のひんやりとした木陰などに多いがヤブ陰等にもある。
撮影:(2006.9.21 県北部)
画像3 株を見下ろした画像。葉はフキに比べてやや先が尖り気味で、鋸歯は目立たない。
撮影:(2002.9.15 県北部)
画像4 花序は円錐状に出て枝先に地味な白い頭花をつける。 花序にはごく小さな腺体がある。
撮影:(2006.9.21 県北部)
画像5 頭花は直径5〜6ミリほど、両性花しか見えないがその周囲に雌花がある。両性花は結実しない。 撮影:(2005.10.16 県北部) 画像6 両性花が終わりかけると、周囲に隠れていた7〜10個の雌花が伸びてくる。雌花はやや赤みを帯びる。 撮影:(2006.10.21  県北部)
画像7 まだ花序が開かない時期の花はフキの花に似た感じもする。茎葉は互生して小さい。
撮影:(2006.9.21 県北部)
画像8 開花後の総苞はほぼ頭花の大きさに広がる。長さ2.5ミリほどの長卵形の総苞片は、7〜8個。 撮影:(2006.9.21 県北部)
画像9 長さ7ミリほどの果実は棍棒状で放射状に広がる。先の方には柄のある腺体がつく。
撮影:(2006.9.21県北部)
画像10 果実を下から見上げると、完全に反り返った総苞片がまだ残っている。
撮影:(2005.10.16 県北部)
画像11 葉は3角状〜腎形で長さ12〜13cmほどで幅のほうが広く、葉柄には翼がある。
撮影:(2006.9.21 県北部)
画像12 葉の下面は脈が浮き出て、葉柄も含めて全体に白い綿毛が密生する。
撮影:(2007.9.20 県北部)
画像13 葉下面を覆った白い綿毛。
撮影:(2007.9.20 県北部)
画像14 茎にも柄のある腺体があるが、小さくてはっきりしない。 撮影:(2007.9.20 県北部)
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