FILE NO 7 宮崎と周辺の植物
ノカイドウ Malus spontanea (Makino)Makino.
野海棠 バラ科
撮影日 2003.5.4
撮影場所 えびの高原

 ノカイドウは、えびの高原のここと、同じ県内の中部地域の特定の場所に限って自生している花だが、生育環境の変化により、絶滅が心配されている貴重な種である。
  高い樹では5mになる。
宮崎県えびの市えびの高原の5月初め、ここでしか見られない花が咲く。
花は白色だが、開花途中はわずかに紅が入り、蕾の濃い紅色と相まって優しく美しい。
花序は短枝の先で数枚展開した葉の上に4〜5個つく。 花弁は5枚、基部は細くなってラケット状になる。
赤松林の中、小さな水の流れに沿って点在する。 葉は2〜3cmの葉柄に革質、長さ4〜5cmほどの倒卵形で、短枝となる。枝には刺が多い。
花柱は4で基部に白い軟毛が密生する。 オシベは20本ほどで長さ6〜7mm、無毛。
鋸歯がある葉、軟毛が残る葉柄、短枝の様子。 萼は5裂し、裂片の先は尖る。萼片内面の軟毛が見える。
ガク筒基部は子房と合着して少し膨れて杯状になり、先は5裂。ガク片の内面は白い軟毛が密生する。 葉は葉柄について早く落ちるが、まだ残っている。
樹形。良く分枝して横に広がるが全体として均整が取れる。 樹幹。もう少し古くなると樹皮が剥がれてくる。
果実は長さ2cmほどの果柄の先でたて9ミリ、横幅8ミリほどと僅かに縦長で赤く熟す。 果実は数個の梨状果となり、その先端中心部にには萼の落ちたあとの突起部が残る。
(果実の写真2枚は2004.10.23現地で撮影)
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