FILE NO 485 宮崎と周辺の植物
ヌスビトハギ Desmodium podocarpum DC. subsp. oxyphyllum (DC.) H.Ohashi
盗人萩 マメ科
撮影日 2012.9.9
撮影場所 宮崎市

 北海道~琉球までの日本全土、台湾、朝鮮~中国~ビルマ辺りにまで分布しているという多年草で、基部は木質化して根は肥大する。
 気の毒な和名がつけられているが、漢名は山馬蝗なので日本独自の呼び名に違いはないが、牧野図鑑にある、豆果が足裏の外側を使って忍び込む泥棒の足跡に似るからとの説には不満足だが他説よりは良い気がする。
 宮崎ではこのように衣服等にくっつく果実は全てサシ、ザシ、或いはバカと呼ばれる。
画像1 道脇の杉の下、斜光のあたる草地で高さ1m近い株の花序
 画像2 長く斜上した多くの総状花序が入り乱れて交差するので、
       株全体の花序を花の形状ごと分かりやすく写すのは難しい。
撮影:(2006.9.3 三股町) 
 
 画像3 長さ28cmほどにも長く伸びた花序、早い花は果実になっている。
撮影:(2012.9.9 宮崎市) 
画像4 丸みのあるガクの先に開く花は長さ3ミリほどで、特に翼弁が淡紅紫色。
撮影:(2012.9.9 宮崎市) 
画像5 旗弁の中をのぞくとオシベの黒っぽい葯の間から突き出たメシベ花柱が見える。
撮影:(2012.9.9 宮崎市) 
 
 画像6 先端近くの花序の一部の画像。蝶形花は同一節から複数個がつく。
撮影:(2006.9.3 三股町) 
 
画像7 葉は複葉で3個の小葉からなって小葉柄のある頂小葉が最大。
撮影:(2012.9.9 宮崎市)  
画像8 (葉の上面) 頂小葉は大きな葉の場合、柄の長さが2cm葉長12cm、側小葉の長さ10cmほどになる。撮影:(2012.9.9 宮崎市)  画像9 側小葉は上面脈上に目立たない短毛が、柄には疎毛が、小葉分岐部に披針状の托葉がある。撮影:(2012.9.9 宮崎市) 
画像10 葉の下面はやや白っぽくて脈が隆起して明白に見える。小葉は半分より下が最大幅になる。撮影:(2012.9.9 宮崎市)  画像11 葉の下面では脈上、葉身部に白短毛が疎らに生えるが、無毛の葉もある。
撮影:(2012.9.9 宮崎市) 
     
画像12 茎や枝等には手で触ると感じられる程度のごく短い毛が疎らに生える。
撮影:(2012.9.9 宮崎市)
  画像13 根は目立つほどに肥大して小芋状になる。小根には根粒菌が見える。
撮影:(2012.9.9 宮崎市)
     
 画像14 果実は花と同一花序に並行して見られ、普通中央部がくびれて2つに見える長さ2cmほどの節果となる。 撮影:(2012.9.9 宮崎市)    画像15 節果は熟すとくびれた中央部が切れて2つとなり、表面の微細な鉤で動物にくっついて運ばれる。 撮影:(2012.9.9 宮崎市)  
     
画像16 (参考) オオバヌスビトハギ。葉は丸みが強くて光沢と艶がある。
撮影:(2012.9.15 宮崎市)  
  画像17 (参考)オオバヌスビトハギの果実は長さ2.5cmほど、くびれが2ヶ所あって3つに見える。
撮影:(2012.9.15 宮崎市)  
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