FILE NO 403 宮崎と周辺の植物
sen
オガタマノキ Michelia compressa (Maxim.) sarg.
招霊の木 モクレン科
撮影日 2011.3.1
撮影場所 高千穂町
 千葉~福井県のライン以西、琉球までの国内と台湾、フィリッピンに自生するとされる常緑の高木だが、琉球南部~台湾のものは葉が長くて変種タイワンオガタマとして区別する人もあるという。
 宮崎では各地の常緑林内にやや稀とされる程度に散在するらしいが、樹高の関係もあって林内での開花確認は難しく、神社等の植栽木を観賞することが多くなる。
 招霊の木以外の呼び名も多いが古くから神社等に植えられたようで、別名の大師香は花や葉が香るからという。
画像1 紡錘形の蕾が目立つ葉間でようやく開き始めた花 画像は全て植栽木のもの
画像2 殆どの場合、花は混み合って張りだした枝先を見上げて観賞する。
撮影:(2011.3.1
 高千穂町)
画像3 枝先に集まった緑色の葉の上で赤さが目立ち始めた袋果の集合果。
撮影:(2009.10.15
 高千穂町)
画像4 小花は基部が紅紫色をした帯黄白色の花被片が4cmほどに開く。 花被片はスプーン型。撮影:(2009.12.23  宮崎市) 画像5 葉腋につく花は長さ1cmほどの太い花柄の先に開いて、花被片の基部にある赤紫色の模様が特徴。 撮影:(2009.12.23  宮崎市)
画像6 花被片は外側6枚がガク片、内側6枚が花弁で同形、外側のものがやや長く2cmほど。 蕾時の濃ピンクは消える。
撮影:(2009.12.23
 宮崎市)
画像7 メシベを取り囲んだオシベは多数あって長さ4~5ミリほど、メシベは多数で棒状の花托に螺旋状について黄色。
撮影:(2009.12.23
 宮崎市)
画像8 樹形は長く伸びた大枝から多くの小枝が多数出て枝先に集まって
     つき、枝先で混みあって互生する。花は葉間に紛れて見えにくい。
撮影:(2011.2.24
 高千穂町
画像9 葉は変化の幅が多いが長さ12cmほどで葉柄部が約2.5cm、明るい深緑色。
撮影:(2011.2.24
 高千穂町
画像10 葉は基部がくさび形で革質、無毛で艶があって脈は見えにくい。 葉柄の溝には短毛がある。 撮影:(2011.2.24  高千穂町)
画像11 葉の下面はやや白味を帯びて淡褐色の短毛がある。脈は殆ど見えず陽に透かしても透明性は不良。撮影:(2011.2.24  高千穂町) 画像12 短毛に覆われたさび色の鱗片が取れて見えてきた蕾。早落する托葉基部の痕は環状に残る。 撮影:(2011.2.24  高千穂町) 
画像13 高さ6mほど樹形で大小の枝が勢いよく伸びて大きく張り出すが、
    小枝は上や横を向いて下を向かない。撮影:(2011.3.1
 高千穂町) 
画像14 小枝は托葉の落ちた痕が丸く輪のように枝を取り巻いて見える(托葉痕)。
撮影:(2011.2.24
 高千穂町) 
画像15 細い枝は環状痕が残り、しわ状の縦線ができる。色は淡褐灰色。
撮影:(2011.2.24
 高千穂町) 
画像16 樹皮には小さなしわやぶつぶつがあるが古くなるとゴツゴツと目立ってくる。  
撮影:(2011.2.24
 高千穂町) 
画像17 熟して裂開した袋果1つは直径2cmほどのいびつな球形で、中に2~3個の種子がある。撮影:(2009.11.4  高千穂町) 
画像18 集合果の花托先端の袋果1つだけが発達して果実の付き方がよく分かる。
撮影:(2009.10.15
 高千穂町) 
画像19 袋果が裂開前に途中で地面に落ちて枯れた集合果・。花托の長さは普通8cm前後。
撮影:(2011.2.24
 宮崎市) 
画像20 高千穂地方に伝承される夜神楽では、手力雄の命も天の鈿女の命も右手で
       神楽鈴を鳴らしながら舞うが、その鈴はこのオガタマノキの集合果の形から
    来ていると言われており、高千穂町の木として町並にも植えられている。  
撮影:(2011.2.24
 高千穂町 岩戸神社東本宮境内) 
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