FILE NO 315 宮崎と周辺の植物
オキナグサ Pulsatilla cernua (Thunb.) Sprenger
翁草 キンポウゲ科
撮影日 2012.4.8
撮影場所 県内

  北海道と沖縄を除いた本州~九州までの日本全土と朝鮮~中国にかけて分布する多年性の草本だが、悲しいことに国内全ての地域で絶滅危惧、或るいは既に絶滅、若しくは現状不明の希少種となっている。
 宮崎県でも高度成長期以前には普通に草っ原で見られたが、現在ではごく限られた場所で人間の保護下でようやく種が維持されている状況となっている。
 減少の原因は人為採取と草原等の消失とされていることから、今後とも増加するという展望は期待できそうにない。
画像1 日当たりのよい草原でソメイヨシノの開花に合わせるように咲く
画像2 今では珍しくなった里山の中ではごく当たり前の風景だった。
     10cm~40cmぐらいまでの高さになるが花後茎は長く伸びる。
撮影:(2011.4.17  県内) 
画像3 花は学名「cernua」のとおり下向きに咲いて遠慮気味で、
     全開することはないが、ガクの内部だけは白毛はない。
撮影:(2005.4.10 県内) 
画像4 花弁はなく花弁のように見える暗赤色のガク片6個は白毛に覆われて長さ3.5cmほど。
撮影:(2005.4.10 県内 )
画像5 ガク片の内部は多数のオシベに囲まれたメシベ花柱の束がある。オシベの長さ約1.3cm。
撮影:(2012.4.8 県内)
     
画像6 ガク片の表面が見えないほど覆った毛はごく細くて白く手で触れるとすべすべする。
撮影:(2012.4.8  県内) 
  画像7 白毛が生えてないガク片内部を内側から見ると本来の暗赤色の色が分かる。
撮影:(2012.4.8  県内) 
 
 画像8 葉は2回羽状複葉の根生葉の間から伸びた花茎の
      途中に、細く切れ込んだような茎葉(総苞葉)がつく。
撮影:(2005.4.10  県内)
画像9 茎葉は3個が輪生状に花茎を取り囲む。茎葉は基部まで細く裂けて先が3裂し、長さ5cmほど。撮影:(2012.4.8  県内) 画像10 茎葉の下面。上面と同様に絹糸のような細い白毛が密生して全体柔らかい。
撮影:(2012.4.8 県内) 
     
画像11 株の基部から斜上した根生葉。長い柄の先に開いた2回羽状複葉の小葉は深裂してさらに切れ込む。 撮影:(2012.4.8 県内)   画像12 深裂した小葉の先はさらに切れ込んで先は尖る。上面の毛はやがて取れ脈の浅い溝が見えてくる。 撮影:(2012.4.8 県内)  
 
  画像13 花が終わるとすぐに花茎が伸びだして和名の語源となった
         翁の髪の毛のような果実ができ、独特の草形が出来上がる。
撮影:(2011.4.17  県内)
     
画像14 多くの果実は果托にについて差し渡し4~5cmほどの球状の集団となり、風に揺られながら成熟する。 撮影:(2011.4.17  県内)     画像15 果実は長さ3ミリほどの狭長卵形で、先に4~5cmにも伸びて白毛が密生した花柱で風に飛んで種子を散布する。 撮影:(2011.4.17  県内)  
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