FILE NO 538 宮崎と周辺の植物
オオバヤドリギ Scurrula yadoriki (Sieb.) Danser
大葉寄生木 ヤドリギ科
撮影日 2005.10.23
撮影場所 宮崎市

  自分で光合成をしながら、寄生した宿主から養分を吸収する半寄生植物で、サクラ、スギ、ケヤキ、シイその他多くの樹木に幅広く寄生する。
  関東南部以西、沖縄、中国まで分布する常緑性のつる性木本植物で、同じヤドリギ科のヤドリギヒノキバヤドリギなどと違って大きく、宿主に負けないほどの枝を広げる。
 最近は何故か増えているようで、公園の樹木などで手の届く高さに寄生していることもあり、今回アップの花の写真を含めて撮影した。
画像1 市内高台にある公園のソメイヨシノから数年前寄生が見えなくなっていたが、30mほど離れたウバメガシにもしっかり寄生していた。
画像3以外、全てそのウバメガシに寄生した株を撮影している。
画像1〜17:撮影:2005.10.23場所:宮崎市内公園
画像18〜19::別途記載
画像2 寄生とは思えない大きさで、この枝は1m以上にも伸びて、
自在に横枝を伸ばしながら花をつけている。
画像3 通常は、このように頭上高く寄生した箇所の幹の周囲で一定の空間を占領して、
 独自の世界を作っている。この場合は太いソメイヨシノに寄生している。
画像4 花は両性で、葉腋から小さな集散花序を伸ばし、筒型の花を数個つけるが、先は4裂して反り返る。オシベ4、メシベ1 画像5 筒状の花被は長さ3cmほどだが、4裂した先端1cm近くが反り返るので、2cmほどの長さになる。
画像6 短い花柄と丸い子房、その先の筒状の花被(ガク)は赤褐色の星状毛で覆われる。 画像7 4裂した筒状の先はまだ反り返っていない。花糸の外側は赤、内側は花粉で黄色。
画像8 葉は対生するが若い枝は時に互生し、若い枝葉には赤褐色の星状毛が密生する。 画像9 葉の下面は、赤渇色の綿毛状の星状毛で密に覆われ、中央の主脈だけが目立つ。
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画像10 葉の下面を爪で引っ掻いて、星状毛を取り除いた様子。側脈は殆ど覆われて見えない。 画像11 葉は長さ5〜6cmで革質、長さ155cmほどの葉柄には赤褐色の星状毛が残る。
画像12 側枝を出す太い枝は赤みがかり、直接短い花序軸を出して数個の花を束生する。 画像13 しっかりと宿主に寄生して太い枝を広げている。横に伸びた右の枝は直径約6cmほど。
画像14 細い枝でも節ごとに宿主にしっかりと寄生しているのが判る。 画像15 上側に見える宿主の枝に、下側から寄生根が食い込んでいる。
画像16 花が終わった後、小さな果実も赤褐色の星状毛に包まれまま熟す。 画像17 宿主のウバメガシより大きくて目立つ枝と葉。
画像18 果実アップ画像。長さ約4ミリほどで、画像16の頃とあまり変わらない。
撮影:(2006.2.12 宮崎市加江田)
画像19 縦に切断した果実。内部に縦に2分された3ミリほどの種子がかすかに見える。
撮影:(2006.6.9 宮崎市加江田)
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