FILE NO 374 宮崎と周辺の植物
オオイヌノフグリ Veronica persica Poiret
大犬の陰嚢 ゴマノハグサ科
撮影日 2006.2.25
撮影場所 野尻町

 明治の中頃に帰化が確認された時、日本に自生する「犬のふぐり」に比べて花が大きいから、(大「犬のふぐり」)と名付けられたそうだが、アカネ科のヘクソカズラよりはましだとは思うものの、気の毒な和名の一つではある。
 北海道から沖縄まで広く見られるポピュラーな花で、その明るいルリ色は良く晴れてすっきりとした青空を思わせるが、やはり日本の空の色とは少し違って、原産地のエーゲ海や地中海の、乾燥した空と海の色を感じる。
画像1 放置された畑に広がったオオイヌノフグリ、殆ど地表を覆ってしまうので、農家には有害な雑草となる。
画像2 茎は根元で四方に枝を出して匍匐し、支えあいながら立って高さは15cmほど。互生する葉のわきごとに長い柄のある花をつける。
撮影:(2006.225. 野尻町)
画像3 皿型に開いた直径8ミリほどのルリ色の花冠は4裂、数本の濃色の筋がある。角のように広がったオシベ2個の中間にメシベ1個がつく。
撮影:(2006.2.25 野尻町)
画像4 花冠の裂片の1個は白っぽくなっており、花は太陽の光で開き日がかげると萎む。
撮影:(2006.2.25 野尻町)
画像5 2cm近くある花柄には短毛があり、ガクも深く4裂して卵形、縁に毛がある。
撮影:(2006.2.25 野尻町)
画像6 葉は茎の下部1〜2対は対生で、その上部では互生し先端では寸が詰まってかたまって見える。撮影:(2006.2.25 野尻町) 画像7 長さ2mほどの葉は、縁に2〜4個の荒い鋸歯のある卵形、先は丸く両面に毛が散生。
撮影:(2006.2.25 野尻町)
画像8 葉の下面、脈が突出して毛が散生、茎は赤みを帯びて軟毛がある。
撮影:(2006.2.25 野尻町)
画像9 果実は刮ハ、扁平な先がハート型に開いて、(大犬の)陰嚢と名付けられた形そのもの。
撮影:(2006.3.19 野尻町)
画像10 上を覆ったガク片を取り除いた果実、左右 2室の差し渡しは7ミリほどで縁には長い毛が目だつ。 撮影:(2006.3.19 野尻町) 画像11 長さ約2ミリの種子はまだ未熟で白い。形は内部が凹む舟形で、左右の果実1室に10個前後入っている。撮影:(2006.3.19 野尻町)
画像12 裏返した草形。群生する個々の株は基部で分枝して半径20cmほどに広がる。 
撮影:(2003.3.21 野尻町)
画像13 画像12のアップ。四方に伸びた枝は、接地した節部からも根が伸びる。
撮影:(2003.3.21 野尻町)
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