FILE NO 590 宮崎と周辺の植物
オリヅルシダ  Polystichum lepidocaulon (Hook.) J.Sm.
折鶴シダ オシダ科
撮影日 2008.2.3
撮影場所 宮崎市

 種の特徴を表して付けられる種小名「lepidocaulon」は、鱗片のある茎の を意味するそうで、中国名も鞭葉蕨というように長く伸びる葉先の中軸が種の特徴とされている。    
 いかにも日本的な命名と感心するオリヅルシダだが、ユリ科の観葉植物オリヅルランとの命名の先後はわからないものの、特徴を捉えた和名を付けた先人の教養を感じる。
 常緑の単羽状複生シダで、県内の渓谷崖地や道路わきなどで広く見られるが、葉や鋸歯はかなり変化が大きい。
画像1 水の滴る林道脇の薄暗い崖地、特徴的な葉が並んで見えるが、葉は二形で先端部が長く伸びる無性芽葉は特に変化が大きい。
画像2 乾燥した道路わきにに見える葉は長さ約50cmあるが、その内の半分以上は
       鱗片が密生した葉柄で、この株では鋸歯がよく目立つ。撮影:(2008.1.5 綾町)
画像3 渓谷の崖に下がった葉の 中軸が伸びて無性芽が見える。 撮影:(2003.10.26 宮崎市) 画像4 中軸が伸びた先の無性芽が成長して新株ができている。 撮影:(2007.21.8 宮崎市)
画像5 葉の上面。 やや硬い羽片は鎌状に最大長7cmほどにも伸びる三角状狭披針形。
撮影:(2008.1.5 綾町)
画像6 羽片の基部は軸側に耳状突起があり、軸の鱗片は葉面にもこぼれて広がる。
撮影:(2008.1.5 綾町)
画像7 羽片の下面、胞子嚢群は羽片中肋の両側に2列平行に並ぶ。中肋基部近くの鱗片はよく目立つ。  撮影:(2008.1.5 綾町) 画像8 胞子嚢群は小さく、苞膜は早くに落ちてしまう。中肋と周辺の鱗片は張り付いたようにしてつく。  撮影:(2008.1.5 綾町)
画像9 無性芽葉の伸びた中肋につく葉は長さ2cmに満たない。  撮影:(2007.2.18 宮崎市) 画像10 画像9の羽片下面は、すっきりとした脈に鱗片が散在する。 撮影:(2008.2.3 宮崎市)
画像11 中軸先端の無性芽が成長し、吊り下げた折鶴風に見える。 撮影:(2007.2.18 宮崎市) 画像12 無性芽がつく中軸の先端部、小さな根茎と鱗片が見える。 撮影:(2008.1.5 綾町)
画像13 葉柄の鱗片は、卵形〜披針形、色も黄褐色〜褐色、その多さも様ざまでかなり圧着気味につく。  撮影:(2008.2.3 宮崎市) 画像14 根茎は塊状で、立ち上がって疎らに葉を伸ばすが、鱗片に覆われている。
撮影:(2008.1.5 綾町)
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