FILE NO 614 宮崎と周辺の植物
サラシナショウマ Cimicifuga simplex Wormsk.
晒菜升麻 キンポウゲ科
撮影日 2007.11.11
撮影場所 木城町

 北海道〜九州、朝鮮、中国満州〜カムチャッカ辺りまで分布するという多年草。
 宮崎では、中部以北の落葉林内で見られるが、それほど多くはないという。
 ショウマの仲間の中で10月から11月初めにかけて花が咲くのはこれだけで、見るたびに季節外れに咲いたかのような気持ちになる花である。
 晒菜は、まだ花茎の伸びない若葉を清流に晒してアクを抜き、茹でて食べたことによるというが、蕎麦の更科とは全く関係が無いようである。
画像1 道路わきの照葉樹林、林間に1.3mほど立ち上がった茎頂の純白な花序は、他のショウマ類に比べていかにも上品な感じがする。  花には両性花と、メシベが退化したオバナがある。
画像2 茎から疎らに出た枝の先に真っ白なブラシのような花序が伸びて、
   枯れ葉の始まった薄暗い林内で、独特の明るい空間を作り出す。
撮影(2007.11.10 木城町)
画像3 全景。出雲風土記に升麻(とりのあしくさ)が出てくるが、これは食べる晒菜でなく、
   根茎が発汗、解熱に効く草のサラシナショウマの価値によって記載されたのだろう。
撮影:(2007.11.10 木城町)
画像4 花は長さ25cm近い総状花序について、花柄は約7ミリ長、オシベ8ミリほどで、ガクや花弁は早く落ちる。 撮影:(2007.11.10 木城町) 画像5 開いた4〜5個の楕円状のガク片は長さ4ミリほど、見えにくいがよく似た内側の花弁は先が2浅裂する。  撮影:(2007.11.10 木城町)
画像6 中央の先が曲がった長さ9ミリほどの柄のある2個がメシベで、早く落ちる花弁の一部がまだ残っている。  撮影:(2007.11.10 木城町) 画像7 花は外側から、苞が2個、花弁のようなガク、先が2裂した花弁、そして多くのオシベが見える。撮影:(2007.11.10 木城町)
画像8 葉は3回3出複葉で、先の尖った小葉には粗い鋸歯があって、頂小葉は
        長さ10cm以上にもなる。両面に小さな毛がある。葉面の白点は単なる汚れ。
撮影:(2007.11.10 木城町)
画像9 葉の下面はやや白味を帯びて、3裂した脈がよく判る。  撮影:(2007.11.11 木城町) 画像10 浅い鋸歯と3裂気味に深く切れ込んだ欠刻状の鋸歯。 撮影:(2007.11.11 木城町)
画像11 葉下面の拡大画像。突出した脈は葉縁まで走って鋸歯先まで伸びている。
撮影:(2007.11.11 木城町)
画像12 茎は平滑で無毛だが、上部で分かれた枝や花序の軸には、短毛がある。
撮影:(2007.11.10 木城町)
画像13 花後の未熟な果実、果柄の先に1個、2個が見える。 撮影:(2007.12.9 木城町) 画像14 花と同様に果序軸にぎっしりと果実(袋果)をつけた枝。  撮影:(2008.1.12 木城町)
画像15 果実は長さ1.4cmほどで、先端に花柱が残り、果実表面には脈が浮き出る。
撮影:(2008.1.26 木城町)
画像16 中に3個ほどある種子は周囲に翼状のリン片があって大きさ約2ミリ。 葉の上面の短毛も見える。 撮影:(2008.10.13 木城町)
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