FILE NO 388 宮崎と周辺の植物
サツマイナモリ Ophiorrhiza japonica Blume
薩摩稲森 アカネ科
撮影日 2002.3.21
撮影場所 田野町

 林縁等の木陰でやや湿り気のあるところに生える多年草で、群生することが多い。
 江戸時代、伊勢の稲森山で見つけて名付けられたというイナモリソウに似て薩摩の産という意味のようだが、千葉県以西に自生している。
 属名のOphiorrhizaは蛇と根を意味するそうで、地面を這って枝分かれした茎が斜上する性質を表している。
 なよなよとした茎や葉は柔らしいが、それに比べて真っ白な花は硬くてしっかりしている。
画像1 林縁木陰の道脇、山側傾斜地の高さ20cmほどの株。
花は株ごとにメシベが長いもの、メシベが短いものと2つの型がある。
画像2 地表を這いながら枝分かれし、晩秋〜初夏にかけて枝先の花序に、長さ1.5cmほどのラッパ状になった真っ白な花をまとまって咲かせる。撮影:(2005.3.11 田野町) 画像3 5裂した花冠裂片の内部には白毛が密生する。花は最大で20個ほどがまとまって一斉に同じ方向を向くが、たいていはうな垂れている。
撮影:(2002.3.21 田野町)
画像4 メシベが長いタイプ。花の中央に先が2裂したメシベの柱頭が見えるが、裂片と同じように白いのでわかりにくい。画像5を参照。
撮影:(2005.2.20 田野町)
画像5 花筒の一部を引き裂いた画像。花筒の中ほどに黒っぽいオシベ、白くて見えにくいが花筒の上方に伸びた細く長いメシベが見える。
撮影:(2005.3.11 田野町)
画像6 メシベが短いタイプ。花冠の中に黒っぽいオシベが見えるが、メシベは見えない。
画像7参照。撮影:(2002.3.21 田野町)
画像7 花筒の一部を引き裂いた画像。白くて見えにくいが花筒の中ほどにメシベが、花筒の上方に黒っぽいオシベが見える。撮影:(2005.3.11 田野町)
画像8 花序は細い苞と小苞があり、萼は先が5裂する。撮影:(2005.3.11田野町)  画像9 果実は扁平な倒3角形の刮ハで、2裂する。
撮影:(2004.6.26 田野町)
画像10  地面を這って枝分かれして立ち上がるが、高さはせいぜい20cmほど。いかにも倒れそうな感じに見える。撮影:(2005.2.20 田野町 ) 画像11 対生する葉は長楕円状の披針形で長さ3〜5cm、表面は短毛があってざらざらしている。葉の縁は波打つ。撮影:(2005.2.20 宮崎市加江田)
トップへ 科名リストへ