FILE NO 599 宮崎と周辺の植物
シイモチ Ilex buergeri Miq.
椎もち モチノキ科
撮影日 2008.4.5
撮影場所 宮崎市

 シイモチは葉がシイの木の葉に似ているモチノキを意味し、日本では愛媛県、島根県以西九州、中国の照葉樹林内に自生するとされている常緑の雌雄異株の高木で、宮崎でもどちらかといえば珍しい部類の木の一種といえる。
 モチノキの仲間なので鳥もちの材料になると思われるが、 気軽に利用できるほど里山に多い木ではないせいか、使用例を聞いたことは無い。
 ヒゼンモチという名もあるらしいので、長崎辺りでは何か実例があるのかも知れない。
画像1 谷川付近で見かける高木で、枝が横に長く伸びて斜め小枝が斜め下に垂れ下がることが多い。 
画像2  高さ10mほどはありそうな高木。やや日当たりの悪い谷わきに、
横枝からの分枝が横或いは斜め下に伸びた独特の樹形。
撮影:(2008.4.5 宮崎市)
画像3  花は前年枝の葉腋につき、ごく短い短枝に束生して、
       数個が塊状になって咲くが、葉の色も黄緑色で目立たない。
撮影:(2008.3.29 都農町)
画像4 雄花序。淡黄色の花弁は外側の一部が赤みを帯びる。 撮影:(2008.3.27 宮崎市) 画像5 雄花は差し渡し7ミリほど、花弁4、オシベ4個で平開する。 撮影:(2008.4.5 宮崎市)
画像6 雌花序。メシベは淡緑色で大きくてよく目立つ。 撮影:(2008.3.29 都農町) 画像7 雌花に4個あるオシベは不稔、メシベ柱頭部は大きい。 撮影:(2008.3.29 都農町)
画像8 互生する葉は長さ6cmほどで、大きさ、形もシイノキの葉に良く似て先も細く尖り裏側に反リ曲がる。 撮影:(2008.4.5 宮崎市) 画像9 葉のつき方は特徴的で、長さ7ミリほどの葉柄が揃って同じように立ち上がる。
撮影:(2008.4.5宮崎市)
画像10 葉の表面主脈ははっきりと凹みが目立つ。 撮影:(2008.3.29 都農町) 画像11 葉は透視性が悪く、側脈もはっきり見えない。 撮影:(2008.4.5宮崎市)
画像12 葉の下面。上面で凹んだ主脈が隆起する。  撮影:(2008.4.5 宮崎市) 画像13 葉下面の脈の見え具合。葉縁の鋸歯はごく小さい。 撮影:(2008.4.5 宮崎市)
画像14 頂芽は先が鋭く尖り、微細な短毛に覆われる。  撮影:(2008.4.5 宮崎市) 画像15 日当たりの良い場所の樹皮は灰褐色で滑らか。 撮影:(2008.3.29 都農町)
画像16 果実は、ほぼ一年かけてくすんだ赤色に熟す。  撮影:(2006.1.9 都農町) 画像17 ほぼ球形の果実は直径約6ミリほど。 撮影:(2006.1.9 都農町)
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