FILE NO 657 宮崎と周辺の植物
シマカンギク Chrysanthemum indicum L.
島寒菊 キク
撮影日 2010.12.20
撮影場所 西都市

 
別名はにアブラギクあるいはハマカンギクだが、多くある変種とは別に昔から地域で呼び慣らされた名も多い。
 またキクは容易に交雑種を作るのでシマカンギクの中でも形質が少し違う部分もあって調べる時に悩むことが多い。
 本州の三重県以西、四国、九州、台湾、朝鮮半島~中国大陸に分布しているらしいが、宮崎県では県の中部を流れる一ツ瀬川以北に自生すると言われている。
 宮崎に自生する野性の小菊でこの時期に咲く黄色い花はこのシマカンギクだけなので、県の中北部の日の当たる道脇等で見かけたらまずこの種と思って良い。
 アブラギクは、花を漬けた油を火傷や切り傷に塗ったことから。
画像1 高さ40cmほどの株が群生した道脇のり面吹きつけの狭い空地。
画像2 道路山側が吹きつけのコンクリートで覆われた崖の岩場段地。
     崖の上部には僅かな小窪地にできた小群落に咲いた花が見える。
    撮影:(2010.12.20 西都市
画像3 高さ1m以上にも伸びて道路のり面から垂れ下がって花を付けた枝。
      県内道脇で見るシマカンギクはのり面の金網ネット等に絡むことが多い。
撮影:(2009.11.4 高千穂町
画像4 舌状花は13~16個。長さ約6ミリほどの舌状花の先まで差し渡し2.3cmほど。 開花初期で未だ中央部の筒状花のメシベが殆ど伸びていない。
撮影:(2010.12.25 西都市
画像5 花柄には白い短毛が密生し4列に並んだ総苞片は黒っぽい薄い膜質が縁どる。4列の総苞片の長さは外片が3ミリ最大内片が7 ミリほど。
撮影:(2010.12.20 西都市
画像6 瓦状の4列総苞片。手前下の黒く縁取られた総苞外片が卵形になるのが特徴の一つ。
撮影:(2010.12.25 西都市
画像7 舌状花は子房まで全長約8ミリ、筒状花は全長約6ミリほどで見えるヶ所は黄色。
撮影:(2010.12.25 西都市
画像8 急な傾斜地に長く垂れ下がった茎から上向きに立ち上がって咲いた花を見かけることが多い。
   茎から出た小枝に数枚の葉を互生し各枝の先端に花を1個つけるが花に比べて葉は小さい。
撮影:(2010.12.28 宮崎市
画像9 葉は羽状に5中~深裂、裂片の縁は鋸歯となるが先は変化の多い尖り方をする。
撮影:(2010.12.20 西都市
画像10 長さ3~4cmの葉は上面にごく短い毛が密生して光の具合で点状に見える。
撮影:(2010.12.25 西都市
画像11 葉の下面は淡緑色で上面と同様に短毛があるが肉眼では見えにくい。 撮影:(2010.12.20 西都市 画像12 葉下面の毛の拡大画像。毛はT字状毛で葉柄も含めて全体につく。 撮影:(2010.12.28 西都市
画像13 茎の上部は柔らかい感じで白く短い軟毛に覆われる。撮影:(2010.12.20 西都市 画像14 葉腋には深く2裂したような小さな苞が1対あって先は2~3に切れ込む。 撮影:(2010.12..25 西都市
画像15 茎の下部は淡灰褐色に変わって4稜気味に木化し、変色部分は無毛になる。
撮影:(2010.10.20 西都市
画像16 地下茎が横に伸びてその先から新しい茎が立ち上がるのが類似種との相違点。
撮影:(2010.10..22 西都市
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