FILE NO 224 宮崎と周辺の植物
シュウブンソウ Rhynchospermum verticillatum Reinw
秋分草 キク科
撮影日 2010.10.14
撮影場所 県央部

 
関東地方以西〜琉球、朝鮮・中国〜インドに分布するという多年草で、語源は牧野図鑑の説明「秋分草の意であろう」以外に説はないようで、その頃目立つ花でもなくよく分からない。
 宮崎でも山道の脇等にありふれた草だが乾燥地には少ない。
 基部から伸びた主茎は途中で3本ほど枝を分けた後、70cmほどの高さで成長を止めて3〜4本の長い枝を四方に伸ばして小さな花をつけるが、その草形は独特で一度憶えれば間違う心配はない
 
学名の「Rhynchospermum」は、嘴のような果実の意味で、そう果の先が鳥の嘴状に細くなることから来ており、この特徴等からアジアの東〜南部に1属1種でシュウブンソウ属を構成している。
画像1 主茎の先から傘を広げたように4本の長枝を伸ばした独特の草形。
画像2 左右から伸びた枝の花や葉が互いに引っかかっていることも多い。
     枝は草丈より長く80cmほどもあるが、ほぼ水平気味に横に伸びる。
    撮影:(2010.10.14 県央部
画像3 長い枝を基部側から見た画像。葉は揃って斜め上向きに展開している。
撮影:(2010.10.14 県央部
画像4 頭花は葉腋から出る小さな花序先に普通 1個つくが、脇から1〜3個つくことも多い。
     短い柄先の総苞は広い鐘型で先端は4ミリほどの大きさ、総苞片は3列で長さ2ミリ強。
撮影:(2010.10.14 県央部
画像5 頭花は縁よりにメバナが2列の舌状花となり、中心よりに多くの両性花が筒状花となっている。
撮影:(2010.10.14 県央部
画像6 基部から抜け落ちた筒状花(高さ5ミリほどで先が5裂している)の基部近くに曲がった白い冠毛が見える。 撮影:(2010.10.14 県央部
画像7 主茎の先端部(左上)の下側に出た枝。主茎についた葉は枝につく
      葉よりも大きく茎にも葉にもやや硬い短毛が多い。茎やや明るい狐色。
 撮影:(2010.10.14 県央部
画像8 茎葉は長さ6.5cmほどの披針形で柄の長さ約3ミリ、両面を触るとザラザラしている。
撮影:(2010.10.14 県央部
画像9 枝葉は長さ3.5cmほどで、柄は3ミリほど、両端が細まった披針形で先端は尖る。
撮影:(2010.10.14 県央部
画像10 葉の下面。淡緑色で脈が浮き出る。
撮影:(2010.10.14 県央部
画像11 葉下面。縁には小さな鋸歯が疎らにある。
撮影:(2010.10.14 県央部
画像12 果実。花とほぼ同時期に未熟ながら果実も観察できる。花期が長く、中央に花が見えるが右端では黒ずんだ果実がある。
撮影:(2006.11.11 県央部
画像13 周囲のそう果の先端部から2本の白い冠毛が伸びているのが見える。周囲につくそう果と中央部につくそう果は形が違う。
撮影:(2010.10.14 県央部
画像14 中央部の白いそう果(筒状花のそう果)は長さ2ミリ強で、細長い卵形。その下側に先が細長く尖ったそう果が見える。 撮影:(2010.10.15 県央部 画像15 左の3個が中央部の筒状花の果実で、先端に嘴がない。右3個が頭花周囲の舌状花のそう果で先端が嘴状になっている。 撮影:(2010.10.15 県央部
画像16 主茎の先端部は創部が修復されたように盛り上がり、3方に枝が出ている。
撮影:(2010.10.14 県央部
画像17 葉は枝の下側から出て葉柄が上側に曲がりながら葉身を広げている。
撮影:(2010.10.14 県央部
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