FILE NO 371 宮崎と周辺の植物
ソクシンラン Aletris spicata (Thunb.)Franch.
束心蘭 ユリ科
撮影日 2004.5.8
撮影場所 高原町

  日当たりの良い草地や、林縁に生える多年草で、根もとから八方に広がった根生葉の間から少し傾いて、長いものでは50cmを越える花茎を伸ばす。   
 花は穂状について下から咲き、まだ先端部が咲き終わらない内に下方の花は萎んでしまう。
 宮崎では、農道の周辺、開けた山道の脇などでよく見られるが、よくよく近寄ってみると、小さいなりに均整の取れた花で、蘭と言う字がつくだけの花ではある。
 ただし、束心蘭のいわれは、葉の中心から花茎が伸びて葉がランの葉に似ているから、ということらしい。
この時期、まだ周りのカヤなども伸びていないので、すっきりと、1本上に伸びたこの花はよく目立つ。
花茎には柔らかい毛が密生、花被片の外側には腺毛が密生して、全体に毛が多い印象。 花は筒状で、花冠は6裂し、上部は淡紅色。
オシベは花被片の内側に着いて6個。 苞は線形で5〜10mmだが2mmほどの小苞が一個ある。
花冠の一部を破って見たら、子房から伸びた花柱、オシベは花被片の内側についた花糸の先の丸い葯が見える。(花糸はごく短い) 花茎の上部はまだ花が咲いているが、下部では花筒と合着した子房が大きく硬くなっている。
根出葉は八方に広がって、長さ約15cmほどになり、その中心から花茎が立つ。 線形の葉は多数が根生する。よく見ると葉の表に3脈がある。
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