FILE NO 421 宮崎と周辺の植物
スイバ Rumex acetosa L.
酸葉 タデ科
撮影日 2009.3.8
撮影場所 川南町

 北海道〜九州まで、北半球の温帯に広く分布、近年の交流により世界中に広がっているという雌雄異株の多年草。
 学名の「acetosa 」が酸っぱいを意味するように、茎や葉を噛むと酸っぱい味がする。
 古名スシ、一般的な呼び名スカンポ、その他日本中で実の多くの呼び名があるようだが、その基本は全て酸っぱいから来ているようだ。
 子供の頃もやはり学校の行き帰りに良く齧った記憶があるが、バイ菌を嫌う若い人々には無縁のようだ。   
画像1 農道と小水路の間の狭い草地、いち早く伸び出した花茎はまだ50cmほどだが、もう赤みのある特有の花をつけている。
画像2 雌雄異株の雌花の拡大画像。赤っぽい花はすぐ近くで見ると、段状に
       濃い赤色が 固まってごく小さく、殆どスケールで測れないほどの大きさ。
撮影:(2009.3.8 川南町)
画像3 田畑の脇や道端でよく見かける株の風景。子供の頃この程度の柔らかい茎をポキンと
     折って硬めの表皮を剥いで齧ったが、美味いからではなくてただ酸味が気持よかった?
撮影:(2009.3.7 都城市 )
画像4 花は総状花序に出て雌花は赤みが目立つ。 撮影:(2009.3.8 川南町) 画像5 雌花序の拡大画像。赤い房状に開いた柱頭は幅約1.5ミリ。  撮影:(2009.3.8 川南町 )
画像5 雌花の構造。ガク片6(6個のうち、3個の外ガク片は反り返って小さい。)
撮影:(2008.4.5 宮崎市 )
画像6 右下方の楕円状球形のガク片は花柄側が外ガク片、球側が内ガク片。
撮影:(2009.3.8 川南町)
画像7 画像6の画像アップ。反り返った外ガク片が見える。右の房状の柱頭部は幅1.5ミリほど。
撮影:(2009.3.8 川南町)
画像8 葉は基部が矢じり型で、根際から出る葉は長い柄がある。 撮影:(2009.3.7 都城市) 画像9 葉の下面。脈が突出し特に主脈が目立つ。 撮影:(2009.3.7 都城市)
画像10 基部の葉はロゼット状。茎葉に含まれるシュウ酸の影響で凍結に強く、春一番に茂って花を開くという。  撮影:(2009.3.7 都城市) 画像11 ロゼット状に広がった葉の基部付近。茎上部の葉は無柄だが、下部から出る葉は長い柄があり赤みを帯びる。 撮影:(2008.4.5 宮崎市)
画像12 托葉は白い膜状で大きい。雌株の茎は赤みが目立つ。 撮影:(2008.4.5 都城市 ) 画像13 道脇草地の株。ロゼット葉と茎葉の違いが見える。 撮影:(2009.3.7 宮崎市 )
画像14 果実。果茎に段状について赤みがあり、遠くからでも目立つ。 撮影:(2002.4.14 川南町) 画像15 6個の内ガク片は花後4ミリほどの翼状になって果実を包む。 撮影:(2002.4.14 川南町)
画像16 ありふれた道脇で高さ1m近くに伸びて群生したスイバ果序風景だが、
    最近は衛生上の観点から子供たちは殆ど口にすることはないようだ。
     全国ではどのくらいの呼び名があるか判らないぐらい親しまれた里山の
      植物だが、この酸っぱい味を知らない大人が大半となってしまった現在、
        スカンポという言葉に郷愁を憶える次世代を育てることは考えるべくもない。
       宮崎では、スイクキ、スイカンボ、スイスイゴンボ、シカンボ、シイギク、
      シュシュガラ、その他で呼ばれていたらしい。(おばあさんの植物図鑑(
      斉藤政美文、椎葉クニ子語り、葦書房、1995年出版))、(都城盆地及び
 周辺の植物(都城盆地植物愛好会、同会出版 1995年))
撮影:(2002.4.14 川南町)
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