FILE NO 280 宮崎と周辺の植物
スジヒトツバ Cheiropleuria bicuspis (Bl.) Pr.
筋 一葉 ウラボシラ科
撮影日 2007.1.2
撮影場所 宮崎市

  伊豆諸島、静岡以西、中国、ニューギニア辺りまで分布する1属1種のスジヒトツバ科として分類されている図鑑も多いが、かなり原始的な形質を持っていると言われており、確かに見ただけでもそんな感じのするシダである。
  種小名の「bicuspis」は、二突頭を意味し、これの中国名「燕尾蕨」と同様、画像8のように葉先で主脈が2叉して2裂片になる葉があることを表す。
  宮崎県でも中部以南の渓谷の崖地や岩上等で見られるが、 自生環境は限定される。
画像1 渓谷遊歩道の切り立った崖地で直射日光が当たることの無い場所、何時見ても水気が切れて葉もカラカラに乾燥したように見える。
画像2 直角に切り立った崖に平行するように革質で無毛の葉面を広げた
       縦筋の目立つ大きな栄養葉と、その間から見える幅の細い胞子葉の株。
    周囲に見えるのは、未だ幼苗のコモチシダ、タカサゴキジノオ。
撮影:(2001.10.14 宮崎市)
画像3 栄養葉の上面、3〜5の脈がやや凹んで縦筋となり、 横に連結して網目状の脈を作る。 葉の幅は6cm弱。 撮影:(2003.4.20  北郷町) 画像4  葉の下面、縦の脈が少し隆起して、鋭尖頭の葉先まで走る。葉柄は約30cm、葉の長さは16cmほど。 撮影:(2003.4.20 北郷町 )
画像5  胞子葉は、葉柄が約36cm、線状披針形の葉は長さ12cm、幅122cmほどで主脈が1本走る。 撮影:(2006.8.27 北郷町) 画像6  胞子葉下面、多少蛇行した中央脈の基部を除いて、ほぼ全面が胞子嚢群に覆われる。撮影:(2006.12.2 宮崎市) 
画像7 胞子葉の葉柄は栄養葉の葉柄よりも長いので、栄養葉より抜き出て細い葉を広げる。
 撮影:(2006.12.2 宮崎市)
画像8  群生した株の葉の中には、たいてい何枚かの葉先が2又になった葉が混じる。
撮影:(2007.1.14 宮崎市)
画像9  葉を光に透かしてみると、網状脈の中に遊離小脈が見えるるが、独特の模様に見えて面白い。 撮影:(2007.1.14  宮崎市) 画像10  葉柄は、直径1.2ミリほどの紫褐色で光沢のある平滑な半円蒲鉾形。上面側が平らで下面側が丸い。 撮影:(2007.1.14  宮崎市)
トップへ 科名リストへ