FILE NO 70 宮崎と周辺の植物
シャガ Iris japonica Thunb.
射干 アヤメ科
撮影日 2012.3.30
撮影場所 宮崎市

  本州~九州までの日本と中国に分布するという常緑の多年草で、古い時代に中国から渡ってきたと言われるが、確かに人里近くの野山では目にするが山中で見た記憶がない。
 宮崎でも県内広く見かけるが殆どが人の行き来する周辺山野に群生していることが多い。
 花は控えめな色で形が整って庭に植えたくなる美しさがある。
 射干はヒオウギの漢名が間違って充てられ、そのままシャガと発音されているという。
 三倍体で果実はできずに横に伸びた地下茎で繁殖する。
画像1 日当たりのよい道脇のり面の小群生地で咲いた花茎と花
画像2 明るい杉林の中に大きな群生地を作って繁茂した株。
撮影:(2003.4.15  宮崎市) 
画像3 花は橙黄色と淡紫色の斑点のある外花被片3、白色の内花被片3、
    先が剪裂した花柱3で、全体花被片は差し渡し6cmほどの大きさ。
撮影:(2012.3.30 宮崎市) 
画像4 花茎から分枝した花は緑色の子房に続く花筒内部に細い花柱部が隠れている。
撮影:(2012.3.30 宮崎市 )
画像5 外花被片の橙黄色斑点の中央部には、高さ約3ミリの鳥のとさか状突起がある。
撮影:(2012.3.30  宮崎市)
     
画像6 子房先端から花筒内を伸びた花柱は上部で広がって3裂し更に2裂してその先がくし状に切れ込む。(花被片、3裂した花柱上部片の1つを取り除いた) 撮影:(2012.3.31  宮崎市)    画像7 花の構成の中で中央部にある、先が剪裂した3花柱を全て取り除いたら、花筒上部で広がった花柱と外花被片の間に隠れていたオシベの葯が見えてくる。 撮影:(2012.3.30  宮崎市) 
 
 画像8 葉は光沢のある鮮緑色で扇状に出て基部で抱き合う剣状葉で
      最長で50cm以上にもなり最大幅3.5cmほど、先は細くとがる。
撮影:(2012.3.30  宮崎市)
画像9 剣状葉の中から伸びた花の枝で葉にはやや膨らんだ箇所が見える。葉の基部は全て花茎を包んでいる。撮影:(2012.3.30  宮崎市) 画像10 剣状葉は正確には葉の両面が葉の裏に当たるが、1枚の葉の両面で緑の濃淡が違うので葉の裏表状に見える。撮影:(2012.3.30 宮崎市) 
     
画像11 画像10の葉の裏面に当たる面は淡緑色で脈の隆起度が比較的高いので脈数が多く見える。
撮影:(2012.3.30 宮崎市)
  画像12 葉は中部より下で幅が少し変化する場所があり、その上部では完全に表裏が癒着する。
撮影:(2012.3.30 宮崎市)  
 
  画像13 3倍体植物のため果実ができないので地下茎で繁殖する。
     右の株の肥大した地下茎の先から長い走出枝が伸びて
       左3個の若い株に繋がっている。撮影:(2012.3.30  宮崎市)
トップへ 科名リストへ