FILE NO 707 宮崎と周辺の植物
タガネソウ Carex siderosticta Hance
鏨草 カヤツリグサ科
撮影日 2016.4.14
撮影場所 西都市

 
スゲの仲間は日本に252種あると言われ、そのすべてがスゲ属で、見分けが難しいことからこのサイトでも敬遠していたが、このタガネソウは宮崎県が日本の自生南限地ともなっているので、取り上げた。北海道~九州、朝鮮~中国・ウスリー島に分布する多年草で、宮崎では黒岳~小林のラインが南限域となっている。和名は金属や岩石を加工する工具の一つ、鏨、に葉の形を見立てたということらしい。
画像1 里山の林縁草地、高さ15cmほどの茎先に開いた花
 画像2 新しく出る根出葉は、小穂をつけた茎からやや離れた
      場所から出る。(小穂基部の葉はもう枯れて消失した。)
撮影:(2016.4.14  西都市)
 
 画像3 山地林内で小群落をつくった株、葉は長さ27cmもある。
      (画像1は出たばかりの若葉だが長さ12cm、牧野図鑑
     には、この種の葉の長さは12cm~32cmと書いてある)
撮影:(2010.8.26  諸塚村)
  画像4 高さ約15cmの茎先の小穂で先端に雄花、下方に雌花がつく。
撮影:(2016.4.11  西都市)
画像5 小穂の先に開花した雄花のオシベ、その下方で雌花が開花しかかっている。撮影:(2007.5.10  諸塚村)  画像6 小穂先端に開花した雄花、3岐した長い花糸の先に葯が見える。
撮影:(2016.4.14  西都市)
 
画像7 左下の雌花は淡紅色の3岐した柱頭が開きかかっている。 
撮影:(2007.5.15  五ヶ瀬町)
 
画像8 開花後、3個の柱頭が柔軟に曲がって受粉態勢となった雌花。
撮影:(2016.4.14  西都市)
 
画像9 葉は基部から徐々に広がって最大で3~4cmにもなり、また狭まって
     披針形に細長く尖る。 左方に少し離れて有花茎が1本伸びている。
撮影:(2007.5.10  諸塚村)
 
画像10 花の時期、古い葉は枯れて無く、新葉が伸びて広がる。
撮影:(2007.5.10  諸塚村)
画像11 葉の上面。浅い縦溝があり無毛。葉縁には毛がない。
撮影:(2016.4.17  西都市)
 
 像12 葉の下面。殆ど無毛で記述すべき特徴は無い。撮影:(2016.4.17  西都市)   画像13 葉の基部の葉鞘はやや赤味を帯びている。 撮影:(2016..4.17  西都市)
 
 画像14 有花茎の葉は退化して小さくて目立たず殆ど苞と同形。 
撮影:(2016.4.17  西都市)
   画像15 花の時期の未熟な果胞で、高さ2ミリ、表面に毛は無い。 
撮影:(2016.4.17  西都市)
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