FILE NO 704 宮崎と周辺の植物
タヌキマメ Crotalaria sessiliflora L.
狸豆 マメ科
撮影日 2015.10.10
撮影場所 宮崎市

 
宮城県以西~沖縄、台湾、朝鮮半島~中国~マレーシアなど東南アジアまで分布するという一年草で、堤防の天場等地中に湿り気のある草地等に生えて特に注目される花ではなかったが、近年、植物全体に含まれるクロタリン等の特殊な成分に抗ガン作用があるとのことで見直されているという。
 そのせいではないが自生地の減少で、絶滅危惧種に指定されている県も少なくない。
  種小名「sessiliflora」は無柄の意味、葉や花の特徴を表しているだけで和名のタヌキとは無関係。
画像1 遠くからでもすぐに判る独特の形状をした枝先の果実集団
 
画像2 青紫色の花は枝先に長さ5cmほどの総状花序になって付き、または葉腋に単生してつく。 総状の花序では個々の花がばらばらに開く。
撮影:(2015.10.10  宮崎市)
 
   画像3 花は、反り返った旗弁頂部から翼弁先端まで9ミリほどの大きさで、小さくて目立たない。花は昼頃になって開き夕方には萎む。
撮影:(2015.10.10  宮崎市)
 画像4 蝶形花を正面から見た画像で、和名タヌキマメを成る程と思うが、
      牧野図鑑には、豆果を覆った褐色毛の永続性のガクに由来する、
      あるいはあたかも獣の顔のようにみえるためかも知れないとある。
撮影:(2015.10.10  宮崎市)
 
画像5 旗弁の拡大画像、ほぼ円形で大きさ7~8ミリほどで先端は少しへこんで、縦に細い脈がある。撮影:(2015.10.10  宮崎市)  画像6 竜骨弁は翼弁と同長、捩れた縞状の棒のようで、触ると硬く竜骨弁と呼ばれる意味が分かる。撮影:(2015.10.10  宮崎市) 
画像7 茎は分枝せずに細くて周囲の草に寄りかかるものもあるが、分枝して
    たくましく伸びた株も多い。画像は分枝して高さ75cm程になった株。
撮影:(2015.10.10  宮崎市)
  
画像8 葉は無柄で互生、単葉披針形で長さ10cmほど。茎頂ではこのように見える。
撮影:(2015.10.10  宮崎市)
 
画像9 葉は中央部よりやや下部が最大幅で8ミリほどあり厚みはないが、しっかりしている。
撮影:(2015.10.10  宮崎市)
 
画像10 葉の上面。淡緑色で縁に鋸歯はなく殆ど無毛、脈には明確な隆起はなく平坦。
撮影:(2015.10.10  宮崎市)
 
画像11 葉の下面は中央脈が隆起して白い長毛が多く、見た目はやや白っぽく見える。
撮影:(2015.10.10  宮崎市)
 
画像12 葉柄基部の毛の様子。一対の線形の托葉がある。撮影:(2015.10.10  宮崎市)  画像13 茎は短い毛が密生して手で触っても感じるほどザラザラ感がある。
撮影:(2015.10.10  宮崎市)
 
画像15 果実のガクが開いて殆ど混み合った果実の一部が落ちて、果序の様子が見える。
撮影:(2015.10.10  宮崎市)
画像16 熟した果実を包んだ黄褐色の毛の密生したガクが開きかけている。
撮影:(2015.10.10  宮崎市)
 
 像17 熟した果実を包んだガクの一部を取り除いて果実を露出させた。
撮影:(2015.10.10  宮崎市)
  画像18 取り出した果実で、両端突起までで長さ1.5cmほど、中に腎形の種子が多数ある。
撮影:(2015.10.10  宮崎市)
トップへ 科名リストへ