FILE NO 486 宮崎と周辺の植物
タラノキ Aralia elata (Miq.) Seemann
楤の木 ウコギ科
撮影日 2012.9.1
撮影場所 都農町

 北海道~沖縄までの日本全土、朝鮮半島~中国東北部、サハリン等に分布するという落葉性の低木で、宮崎でも県全体の山野に広く自生している。
 宮崎でタラと言えば山菜と連想されるほどで、様々な山菜を話題にする東北でもタラの芽は有数な山菜として知られているが、作者の好みからからいえば、やはりテンプラで食べるのが一番と言いたい。
 語源については様々だが、和泉式部が、尼に贈ったタラ、ワタビを歌った歌でも「たら」と呼ばれている。
画像1 タラの若い果実は、遠くから見ると独特の色でよく目立つ 根から伸びた芽でも繁殖する
 画像2 花は互生して長大な葉の上、茎頂に大きな花序となって広がる。
撮影:(2012.8.30 宮崎市) 
     
画像3 若い樹だが樹高に不相応な葉と花序がついて遠くからでも目立つ。
撮影:(2004.9.19 都農町)  
  画像4 樹は大きくなると高さ4m以上にもなるが、枝がない場合も多い。
撮影:(2012.9.1 宮崎市)  
 
 画像5 花序は全体の長さ50cmにもなる大きな散形花序となって展開するが
      上部の枝に両性花の小花序が、多くは下部には雄花の小花序がつく。
撮影:(2012.8.30 宮崎市) 
画像6 花序の軸と小花柄には毛・小刺が密生するが、高さ2ミリほどのガク筒は無毛。
撮影:(2012.8.30 宮崎市) 
画像7 両性花は差し渡し3ミリほどの大きさ、花弁やオシベが落ちてから花柱5が伸びてくる。
撮影:(2012.8.30 宮崎市) 
 
 画像8 葉は長さ1mにもなる2回羽状複葉で葉軸には5~9対の小羽軸が
  間隔をあけてつき、その小羽軸には7対前後の小葉がつく。
撮影:(2012.8.30 宮崎市) 
画像9 小葉は変化が大きいが、大きいものでは長さ12cmほどにもなって先が細長く伸びる。
撮影:(2012.9.1 都農町) 
画像10 鋸歯のある小葉の上面には粗い毛が散生する。小葉柄は長さ8ミリほど。
撮影:(2012.9.1 都農町) 
画像11 葉の下面は目立って白く、脈が隆起して見える。 撮影:(2012.9.1 都農町)  画像12 葉下面は脈上にも葉全体にも粗い毛が多く生える。 撮影:(2012.9.1 都農町) 
     
画像13 食用にする未展開の新葉。刺は葉軸・葉柄に葉脈にも多い。この程度の葉は十分食べられる。 撮影:(2012.9.1 宮崎市)   画像14 やや年数を重ねた樹幹。不規則な刺が全体に出て扱いにくい。鋭い刺は高さ4ミリほどもある。 撮影:(2012.9.1 宮崎市)
     
 画像15 果実は画像1のように遠くから集団で目立つが大きさは直径3ミリほどと小さい。
撮影:(2011.10.12 高千穂町) 
  画像16 球形の果実は液果で黒く熟すが、小果柄の刺が目立つ。果実先端にはメシベ残がいが残る。 撮影:(2012.9.1 宮崎市)  
     
画像17 (栽培)刺の少ないものをメダラというが、改良した刺なし品種が売られている。
撮影:(2012.9.1 宮崎市)  
  画像18 刺の全くでない栽培種の幹。刺はなく縦長の皮目が不規則に並んでいる。
撮影:(2012.9.1 宮崎市)  
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