FILE NO 160 宮崎と周辺の植物
ツクシヤブウツギ Weigela japonica Thunb.
筑紫藪空木 スイカズラ科
撮影日 2005.5.29
撮影場所 田野町

 その名のとおり筑紫:九州に産するヤブウツギで、宮崎ではこの時期少し山野に入ると、いたる所で紅白が混じったこの花が見られる。
 長い枝を横に伸ばして下向きに咲く花は花瓶にも挿しにくいし、全体毛が多くて庭に植えようかという気にならないが、九州の山野に自生する価値ある花である。
 生育の場所を選ばず、道脇のコンクリートの吹きつけの隙間にも住みついて、弓なりに伸ばした枝で花を揺らせている風景は、ごく普通。
画像1 主幹は明確だが、横枝が伸びて茂るので、樹形はわかりにくい。
周囲の樹木環境にもよるが、高さは5m近くにもなることもある。
画像2 花は白から紅になるといわれているが、花の時期はいつも紅白の花が見られる。 画像3 ガクとともに毛の多い花冠は、長さ3.5cmほどで先が5裂、メシベはそれより突き出る。
画像4 5個の花糸は途中まで花冠に合生して途中から離生するが、合生部分には毛があり、離生した先は無毛になる。 画像5 花糸の先の葯は、離生して長さは5ミリほど。メシベの先の柱頭は花冠より長く突き出て円盤状になる。
画像6 葉は先の尖った楕円状でやや厚く、基部は広いくさび状で両面に毛が多い。 画像7 葉柄は長さ1cm近くにもなり、柔らかく斜上する毛を密生する。
画像8 葉の上面は短い毛が密生する。 画像9 葉の下面脈上は短い毛が密生する。
画像10 果実は多少内曲し、長さは先端の花柱約5ミリを含めて2.5cmほどで毛が密生。 画像11 前年の果実の裂開した残骸が、花の時期にも未だ残っており、種子は無いが花柱と中軸の形は判る。
画像12 まだガク片がついている若い果実のアップ。伏した毛や斜上する短毛が多い。 画像13 若い枝、長さ1cm近くの葉柄にも斜上または伏した毛が多い。
画像14 茶褐色をした枝から伸びた新しい小枝。長さは10cmほどの葉は対生し下面は脈が目立つ。 画像15 樹皮は縦に裂けて剥がれ落ちるが、大きな幹では縦の亀裂に大きな皮目が目立つ。
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