FILE NO 56 宮崎と周辺の植物
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ツルコウゾ Broussonetia kaempferi Sieb.
蔓楮 クワ
撮影日 2011.4.28
撮影場所 宮崎市

 
山口県、四国・九州、台湾、中国南部に自生するとされているが、平凡社の図鑑「日本の野生植物木本編 Ⅰ」では台湾・中国南部のものは葉の広い変種とされている。
 何処ででも見かけるごくありふれた蔓植物と思っていたが、山口県では絶滅危惧1A類に指定されているほどと知って、地理的な分布特性の微妙さを再認識した。
 種小名「 kaempferi」はシーボルトより130年前に来日したドイツのエルンゲルト・ケンペルを記念したものらしい。
画像1 長く伸びた横枝から下がった雄花序はブドウの房のよう。 雌雄異株の落葉性の木本蔓植物
画像2 垂れ下がった雌株の蔓に咲いた雌花。雌雄の花だけ見れば
   コウゾやヒメコウゾの花とよく似て見分けがつかない。
撮影:(2011.5.6
 宮崎市)
画像3 果実は赤く熟す集合果で、ヒメコウゾなどの果実に似る。
      別名ムキミカズラは果実が露出してムキミになるからという。
撮影:(2005.6.26
 日向市)
画像4 舗装した道路脇の傾斜地に分枝して垂れ下がった蔓風景。
撮影:(2011.5.7
 宮崎市)
画像5 オバナは葉腋から垂れ下がった長さ1cm弱の柄の先に房状1.5cmほどの花序が下がる。 撮影:(2011.4.28  宮崎市)) 画像6 オバナは4裂した花被片の中からオシベ4個が外曲して先端に白く見える葯をつける。
撮影:(2011.4.28
 宮崎市)
画像7 よじ登った樹から3mほど垂れ下がった蔓の枝についた雌花、小雨の中で撮影。
撮影:(2011.5.6
 宮崎市)
画像8 雌花序は長さ約7ミリの花柄の先で直径4ミリほどの球形になり、長さ4ミリほどの赤い針状の花柱がつく。撮影:(2011.5.6  宮崎市)
画像9 道脇傾斜地の小規模な藪地の上に伸び被さって枝を広げた蔓で、
    葉の形に特徴があるので判りやすい。左手の白い花はノイバラ。
撮影:(2011.5.6
 宮崎市)
画像10 葉は互生する卵状長楕円形で、大きさは変化するが長さ10cmほどになり、基部は左右不同の心形。 撮影:(2002.6.15  宮崎市) 画像11 葉身基部の心形の具合。上面には白い短毛があって指で触るとザラザラしている。質は薄く柔らかい。 撮影:(2011.5.7  宮崎市)
画像12 葉の下面はやや白っぽい。脈が浮き出て良く見える。葉の先端は特徴的な尖り方をしている。 撮影:(2002.6.15  宮崎市) 画像13 葉の下面は主脈、細脈を問わず脈上に短毛が多い。長さ1cm弱の葉柄にも短毛が目立つ。 撮影:(2011.5.7  宮崎市) 
画像14 葉の先端の尖り具合。葉縁の細かい鋸歯は整然としており、先端は赤っぽく見えることが多い。撮影:(2011.5.8  宮崎市)  画像15 枝には白く見える小さな皮目が点在し、葉痕が切株状に残って見える。
撮影:(2011.5.8
 宮崎市) 
画像16 薄いシルバーグレイの幹の樹皮には縦に細い筋目が入って緩やかに巻き上がる。
撮影:(2011.5.8
 国富町) 
画像17 樹皮は和紙の原料になるほど強靭で、折った枝も樹皮で繋がって手では千切れない。 撮影:(2011.5.8  国富町) 
画像18 果実は濃い緑葉の間に赤熟して見え隠れする。食べると水気が少なく甘みがある。
撮影:(2002.6.15
 宮崎市) 
画像19 集合果は直径1.5cmほどの球形になり、粒状の1個づつの果実には糸状の花柱が残る。 撮影:(2005.6.4  都城市) 
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