FILE NO 340 宮崎と周辺の植物
ツルソバ Persicaria chinensis (L.) Nakai
蔓蕎麦 タデ科
撮影日 200.11.23
撮影場所 宮崎市

  伊豆諸島、紀伊半島、四国、九州から琉球、中国、インドまで分布するそうだが、記載されてない図鑑等も多い。
 宮崎では海沿いの松林に作ったゴルフコースの藪など、海岸近くの道沿いにありふれているが、何かに使える話もあまり聞かないし、分布地域や生育地が限られるためか、このツルソバについて解説した本も少ない。名のとおり、横に枝を伸ばしたながらつる状に横や上へ伸びて、長いものでは1m以上になることもある。
画像1 よく群生し、互いに支えあいながら集団を作っているが、これは海沿いの舗装道路に伸びだした株。 画像は、同じ場所で2005年11月20日と23日に撮影。
画像2 花は枝先に総状花序につくが、頭状にかたまる。 画像3 個々の花の花被は大きく開かないので、せいぜい4ミリほどの大きさ。
画像4 花被(ガク)は5深裂し、オシベ8、メシベ1で花柱は先で3裂する。 画像5 花柄には短いが白く堅い毛がある。花弁は無い。
画像6 果実に見える直径5〜6ミリほどの黒い球形は、花後に水分で膨らんだ花被(ガク)で、果実1個を包む。潰すと薄めたようなブルーブラックの液が出る。 画像7 果実は黒紫色、先の尖った3稜形で基部は少し突出して長さ3ミリほど、表面には皺がある。殻を破ると、中には白いでんぷん質風の胚乳がある。
画像8 互生する葉は長いもので10cmほど、葉柄、主脈は赤みを帯びることが多い。 画像9 葉は両面ともに無毛、基部は切り形で、少し葉柄に流れる。
画像10 葉の先は尖り、下面は脈がはっきりと見える。 画像11 上部の枝では時に托葉鞘が広がった状態で見られる。
画像12 托葉鞘は無毛、2〜3cmほどの膜質の筒型になり先は斜めに切れる。 画像13 株の全景、左のつるは長さ90cm。
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