FILE NO 62 宮崎と周辺の植物
トキソウ Pogonia japonica Reichb.fil.
鴇(朱鷺)草 ラン科
撮影日 2017.5.11
撮影場所 宮崎県

  千島
~北海道~九州、朝鮮、中国に分布するという多年草だが、四国と九州ではあまり多くないという。
   トキソウは和名の通り淡紅色になる朱鷺の風切羽の下面の色に似ていることからと言われるが、飛翔する朱鷺を見上げた時にしか判らないらしい。
  鴇色は優しく控えめな好ましい色に感じるが、色の定義としては薄い紫みの赤ということになる。
  取り立てて特徴のある花でもないがこの色ゆえに貴重な花に思えることも自生地減少の要因の1つだろう。
 モウセンゴケ等と一緒に酸性の湿地で見られる。
画像1 高さ15cmほどの細い茎の先端に鴇色の花を一個つける
 画像2 花は唇弁が他の花弁より長く突出して柔らかい多くの毛状の
          突起を密生させ、花のすぐ下には葉と間違えそうな長い苞がある。
撮影:(2002.5.4  宮崎県)
 
 画像3 花と葉。茎の下半部に葉が一枚出る。花のすぐ下に見えるのは苞。
撮影:(2017.5.11  宮崎県)
画像4 花は縦横2cmほどの大きさで白っぽい上ガク片1、側ガク片2,は皆外側に
  大きく反る。上ガク片が最大で長さ約2cm、側ガク片は長さ約1.8cm。
鴇色の側花弁は唇弁とくっつくように寄り添って唇弁の上部を覆う。
撮影:(2017.5.11  宮崎県)
 
画像5 右側ガク片が落ちてしまった花を正面から見た画像。 唇弁は3裂するが左右の裂片は小さい。撮影:(2002.5.4  宮崎県)  画像6 3裂した唇弁の中央裂片は前に伸びて下向きに反って曲がり、毛状の突起が目立つ。
撮影:(2017.5.11  宮崎県)
 
 
画像9 株の全形。葉は長さは約4cm、苞は長さ約 2cmほど。 撮影:(2017.5.11  宮崎県)    画像9 葉の基部は、葉柄のように細くなって茎に翼状に沿ってつく。 撮影:(2017.5.11  宮崎県)  
画像8 葉上面。やや厚みを感じる披針形または線状の長楕円形で先は尖り主脈は凹む。 
撮影:(2017.5.11  宮崎県)
 
画像9 葉下面。やや下面側(裏側)に反る。全体無毛で、主脈は下面に少し膨らむ。
 撮影:(2017.5.11宮崎県)
 
画像10 全体が淡緑色だが、茎の基部だけは赤褐色を帯びる。 撮影:(2017.5.26  宮崎県)  画像11 果実は柄状の下部も含めて長さ1.8cmほど。蒴果。 撮影:(2017.5.26  宮崎県) 
トップへ 科名リストへ