FILE NO 508 宮崎と周辺の植物
トキワシダ Asplemium yoshinagae Makino
常盤シダ チャセンシダ科
撮影日 2005.3.20
撮影場所 椎葉村

 文字どおり冬でも葉が枯れないという意味が強調された常盤のシダで、湿り気のある樹林下の岩の上や岩壁に生える。
 図鑑等では、栃木県以西の暖地の、深山樹林下の岩上などに着生すると書かれているが、このトキワシダは、椎葉村の集落から少し山手に入った車道わき岩壁の、丁度目の高さのところに着生していたので、労せずして撮影ができたという点では、貴重なものとも言える。
画像1 数本の葉を束生するが、岩壁に多いのでほとんどの場合垂れ下がっている生えることになり撮影しやすい。最長の葉は長さ29cm。葉軸の両側に開出する羽片は上に行くほど小さくなる。 撮影はすべて、2005.3.20
椎葉村
画像2 葉の上面、羽片は長さ1.8cmほどの大きく歪んだ菱形で、羽状に浅裂〜深裂する。   画像3 葉の下面、ソーラス(胞子嚢群)は羽片の軸に沿って左右2列に長く斜上する。
画像4 裂片には鈍鋸歯が出る。羽片の基部は楔型となり、3ミリほどの短い柄がある。 画像5 ソーラス(胞子嚢群)は長さ4ミリほどで、淡い白緑色の包膜に覆われる。
画像6 葉軸には、はっきりとした溝があり、疎らにつく鱗片は暗褐色、全縁で羽片にもつく。  画像7  根茎は斜上から直立、全縁で先が尖った濃い黒褐色の鱗片が密生する。
トップへ 科名リストへ