FILE NO 288 宮崎と周辺の植物
ツユクサシュスラン Goodyera foliosa (Lindl.) Benth.var.commelinoides (Fukuyama) F. Maek.
つゆくさ繻子蘭 ラン科
撮影日 2015.12.29
撮影場所 宮崎市

 
長崎県五島辺りから南、九州南部~屋久島~琉球に分布するという落葉樹林下に生える多年草で、アケボノシュスランの変種とされる。宮崎では西都市の一部、沿岸に近い低山地等で見られるが多くはない。
 図鑑等で名前は出てくるものの特徴等を解説した記載が少ないので見分けに悩むことが多いが、これは明らかに苞やガク片の毛が顕著でツユクサシュスランとした。(画像7及び14) 
 ツユクサは通常露草のこととされているが、手持ちの図鑑等ではそれに類した趣旨の記載はなかった。
画像1 谷間の薄暗い渓谷脇で果実をつけた株で苞も殆ど落ちている
 画像2 数年観察している場所での花の画像、花弁より長い苞が見える。
撮影:(2013.10.17  宮崎市)
 
 画像3 株は地表を20cmほど這った後立ち上がって花序先端まで約15cm。
     環境は腐植土等に覆われた岩上のやせ地。黒っぽいバックは切り
      立ったがけ地で全面シダに覆われている。全体が暗くストロボ使用。
撮影:(2012.10.9  宮崎市)
画像4 茎上に高さ6cmほどの花序を伸ばして数個の花をつけた株。撮影:(2013.10.17  宮崎市)  画像5 花はやや薄い曙色で、苞は花より高く抜き出る。撮影:(2006.10.1  宮崎市) 
画像6 花の近接画像。長さ1.3cmほどのガクも軸も毛が密生している。
撮影:(2006.10.1  宮崎市)
  
画像7 葉は大きさ・長さにかなりの幅があるが、おおむね5~6cm、
      幅3~4ほどで無毛で平滑、艶があり、3本の脈が見て取れる。
撮影:(2003.10.26  宮崎市)
   
画像8 葉の上面。光沢があって主脈がやや白っぽく見えて葉縁は不規則に波打つ。
撮影:(2013.1.12  宮崎市)
 
画像9 葉柄基部。無毛で艶があり、葉柄は少し茎に平行して立ちそして大きく外へ湾曲する。
撮影:(2013.1.12  宮崎市)
 
画像10 葉の下面。主脈が目立って隆起して先端まで走り、全体やや白っぽく見える。撮影:(2013.1.12  宮崎市)  画像11 葉の先端部。葉縁に沿って走ってきた脈は主脈に接合して細く尖る。
撮影:(2013.1.12  宮崎市)
 
画像12 茎は無毛で平滑、葉柄基部は少し茎を抱いている。撮影:(2013.1.12  宮崎市) 画像13 苞は長さ2cm近くあって果実より長く全体に毛が多い。撮影:(2013.1.12  宮崎市)
 
 像14 まだ苞がしっかり残っている果序だが、果序も苞も果実にも密生した毛が遠くからでも顕著。
撮影:(2013.1.12  宮崎市)
  画像15 長さ1.3cmほどの果実が縦に割れかけている。柄は殆ど無い。花序軸の毛も半端でない。
撮影:(2013.1.12  宮崎市)
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