FILE NO 493 宮崎と周辺の植物
ウメバチソウ Pamassia palustris L. var. multiseta Ledeb.
梅鉢草 ユキシタ科
撮影日 2008.10.19
撮影場所 県北部

  東アジア北部、樺太、北海道〜九州、台湾に分布するという日当たりのよい草原に生える多年草で、宮崎県では目にする機会はやや少ない。
  ユキノシタ科の中でオシベ10個のうち5個がが仮オシベに変化したグループ3種だけでウメバチソウ属を作っている。
  普通は花の形等から物に名前がつくことが多い中で、ウメバチソウの場合は菅原道真の流れをくむ名家の印である梅花紋の1つ梅鉢紋に花が似ているからウメバチソウになったといわれている。
画像1 色とりどりの花で賑わった秋の草原も寂しくなる頃に咲く花。
     白い花弁等の反射が強いためか、花と緑葉の撮影は難しい。
花は蜜を分泌しないとされているが、分泌してる画像もある。
画像2 上を遮るものがない日当たり良好の草原の草むらの生えたウメバチソウ。
      茎葉は卵形〜広卵形で、茎を取り囲むような形で1個だけが花茎の途中につく。 
   露出を無柄の茎葉や周囲の葉に合わせると、花はまっ白に写ってしまう。
 撮影:(2008.10.19 県北部)
画像3 花は直径2.5cm強で、花弁5、オシベ5、仮オシベ5、メシベ1からなるが、 
まだ開花直後なので、オシベが内側に曲がって子房を包んでいる。
  花弁表面の脈はノミ等で彫り込んだように溝状にくぼんで緑色がかる。
撮影:(2004.10.17 県北部)
画像4 開花後5個のオシベは1日に1個づつ立ち上がるともいう。 撮影:(2007.10.13 県北部) 画像5  開いた5個のオシベの間に退化した緑色の仮オシベが見える。 撮影:(2004.10.17 県北部)
画像6 オシベとオシベの間にイソギンチャクのように先端が20個ほどの針状に
  細裂した仮オシベがある。裂片先端には黄色い球状の腺体がつく。
 撮影:(2007.10.13 県北部)
画像7 蕾。ガクは深く5裂して先が丸く尖った狭卵形で緑色。  撮影:(2007.10.13 県北部) 画像8 花を下から見た時のガクと花弁、花弁は透明度が高い。 撮影:(2004.10.17 県北部)
画像9 画面左側の茎葉は茎を抱いて柄はなくて卵形で、平行脈がある。
     長い葉柄の右側の葉は基部から伸びた根生葉。花茎には稜がある。
 撮影:(2008.11.2 県北部)
画像10 根生葉の下面。脈は下面側に隆起して、葉柄に稜がある。 撮影:(2006.11.3 県北部) 画像11オシベが枯れる頃にメシベの柱頭が開くオシベ先熟花。 撮影:(2008.11.2 県北部)
画像12 メシベが熟す開花終期、仮オシベだけが目立つ。 撮影:(2008.11.2 県北部) 画像13 メシベ熟期の子房を上から見るとオシベは花糸だけが残る。 撮影:(2008.11.21 県北部)
画像14 未だ仮オシベの残がいが残る若い果実。高さ9ミリほど。 撮影:(2008.11.21 県北部) 画像15 果実を破くと中には長さ1ミリほどの種子が詰まっている。 撮影:(2008.11.30 県北部)
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