FILE NO 415 宮崎と周辺の植物
ウツギ Deutzia crenata Sieb. et Zucc.
空木 ユキノシタ科
撮影日 2005.5.28
撮影場所 高千穂町

 ウノハナが一般的に知られた名前だが、北海道南部から九州まで広く分布し、万葉の昔から親しまれ歌に詠まれてきたお馴染みの落葉低木。
 未だに覚えている唱歌、「うの花のにおう垣根に、時鳥早もきなきて、忍音もらす、夏は来ぬ」は、美しい日本語で歌った美しい日本の風景で、口ずさむと心が洗われる。
 万葉集にも、「鶯の通う垣根の卯の花の憂きことあれや君が来まさぬ」と垣根に利用されていたことが歌われ、日本人の好きな花の一つである。
画像1 卯の花は旧暦卯月に咲く花なので、現在で言えば4月後半から5月後半にあたる。ゆったりと横に伸びた枝に花をつけ、いかにも風情を感じる花であるが、歌にある匂いは花を揺らした薫風の香りかも。 
画像2 まだ咲き始めたばかりの株全景。基部から株立ち状
     になり、上部の枝も枝分かれして、全体が丸くなる。
撮影:(2006.5.14 日向市)
画像3 花はうつむき加減に下を向き、5裂した花弁も大きく開かない。
 撮影:(2002.5.19 西米良村)
画像4 枝先に円錐花序を出して白い花をかたまって咲かせる。いかにも香りそうな感じはする。
 撮影:(2005.5.28 五ヶ瀬町)
画像5 ガクは5裂し裂片の先は尖らない。星状毛、開出毛が多い。撮影:(2006.5.14 日向市) 画像6 花弁はこの程度まで開出し、縁の先は鋸歯風に凹凸がある。撮影:(2006.5.14 日向市)
画像7 花弁を1個取り除いたときの画像。オシベの花糸先端は両側に翼があるのが
   ウツギの特徴。オシベ10個は花弁の中にあり、花柱はオシベとほぼ同長。
撮影:(2006.5.14 日向市)
画像8 葉は対生し、卵状披針形で、上面は星状毛でざらつく。 撮影:(2006.5.14 日向市) 画像9 花序の軸は星状毛や開出毛が多く、葉柄にも毛が目だつ。撮影:(2006.5.14 日向市)
画像10 葉の下面は脈が白く浮き出て縁に沿って湾曲する。 撮影:(2006.5.14 日向市) 画像11 下面は淡緑色で細かい星状毛が密に分布する。 撮影:(2006.5.14 日向市)
画像12 新しい枝は赤褐色を帯びて星状毛が多い。 撮影:(2005.5.28 五ヶ瀬町) 画像13 樹皮は灰褐色、古くなると縦すじが入り短冊状に剥げる。撮影:(2002.5.19 西米良村)
画像14 果実は直径5ミリほどのリンゴ状球形で、2個の花柱が残る。
撮影:(2005.6.26 日向市)
画像15 果柄、果実ともに開出毛が目だつ
画像8に枯れた果実が見える。
撮影:(2005.6.26 日向市)
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