FILE NO 602 宮崎と周辺の植物
ウワミズザクラ Prunus grayana Maxim.
上溝桜 バラ科
撮影日 2007.5.2
撮影場所 五ヶ瀬町

 バラ科のサクラ属ではあるが、サクラとは花が長いブラシ状になってつく点が違って、日本では北海道から九州まで、中国の中部にも自生するというが、宮崎では西部と北部の山地に見られる。
 古名をハハカといい、古事記の昔から天皇即位の大嘗祭にお供えする新米の斎田を決める太占の儀(鹿の肩甲骨を焼いてその割れ具合で占う)で、骨を焼くのがこの木で、予め彫られた骨の裏の溝を焼くことから裏溝が変化してウワミゾになった説に賛成。
画像1  国道脇の橋の横に広がった高さ10mを超える木だが、全景表現は難しい。花は葉が出た後、長いブラシ状になって咲く。
画像2 普通に見るザクラと同じように大きな枝を横に広げて頭上を
        覆った枝と花、白い花は花より先に出た若葉の間に浮かんで見える。
撮影:(2007.5.2 五ヶ瀬町)
画像3 枝先から伸びた総状花序は長さ10cm、多くの花がついて太さ3cmほどになる。
    枝の下に葉がついているのが種の特徴で、よく似たイヌザクラとの大きな違い。
撮影:(2007.5.2 五ヶ瀬町)
画像4 花弁は平開して白色卵形で5個、花は差し渡し1cm弱、オシベは30個ほどで花弁の外に飛び出す。  撮影:(2007.5.4 五ヶ瀬町 ) 画像5 花弁が落ちた花の終期。小花柄は長さ5〜6ミリあってガク筒は広がった鐘形。
撮影:(2007.5.2 五ヶ瀬町)
画像6 葉は互生して1cmほどの葉柄があり、葉先は細長く伸びて尖る。長さ12cmほど。
撮影:(2007.8.18 五ヶ瀬町)
画像7 葉上面。葉は長楕円形だが若葉は丸みが強く、脈は凹む。両面とも無毛。
撮影:(2007.8.18 五ヶ瀬町)
画像8 若葉の下面。突出した脈は大小があるように見える。 撮影:(2007.5.2 五ヶ瀬町) 画像9 葉縁の距歯は荒く外向きに突出して鋭く尖る。 撮影:(2007.5.2 五ヶ瀬町)
画像10 葉の先端は長く伸びて、最先端にまで鋸歯がある。  撮影:(2007.5.2 五ヶ瀬町) 画像11 蜜腺は葉身の両側最下部の鋸歯の位置につく。  撮影:(2007.5.4 五ヶ瀬町)
画像12 枝は紫褐色で皮目があり、一年枝は赤みを帯びて平滑。  撮影:(2007.5.2 五ヶ瀬町) 画像13 古木の幹は灰褐色になり、縦に浅く裂け目が出る。 撮影:(2007.5.2 五ヶ瀬町)
画像14 果実は8月に黒紫色に熟す。蕾や未だ緑色の未熟な果実を花軸ごと塩漬けや
        果実酒にしたものを、新潟県ではあんにんご(杏仁子)といって利用するそうで、
     薬用として咳止め効果もあるという。  撮影:(2007.8.18 五ヶ瀬町)
画像15 果実は尖った卵形で直径約8ミリ、黄〜赤〜黒熟する。 撮影:(2007.8.18 五ヶ瀬町) 画像16 熟した果実は、小果柄ごとガクの残がいを残して落ちる。 撮影:(2007.5.2 五ヶ瀬町)
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