FILE NO 228 宮崎と周辺の植物
ヤブツバキ  Camellia japonica L.
薮椿 ツバキ科
撮影日 2008.1.26
撮影場所 西都市

 日本の山野景観を構成して来た自然植生は大きく3つの生育域に分けられるが、普通の低地や里山の常緑広葉樹林は幅広く「ヤブツバキクラス域」にまとめられている。
 北海道を除く琉球まで日本全土で見られるヤブツバキは照葉樹の象徴であり、古くから愛され品種改良され国外に移出されて、様ざまな交配種が入り混じり、花の構成で各部分の変化が連続して単純な区分が難しいのと似ている。
 日本固有種で変種ユキツバキやヤクシマツバキがある。
画像1 よく茂る小枝と密に出る深緑色の照葉の間に見え隠れする赤い花は、人間よりもメジロ等に魅力的に見えるらしい。

サザンカとよく似て、人工交配も多く見間違うことが多い。

画像2 林道脇に孤立した高さ2.5mほどの木、自然樹形でほぼ球形。
  背景が空いて全景がよく見えるが、花の赤も葉の緑に吸収
        されてしまって派手さは感じられない。 撮影:(2007.3.10 綾町)
画像3 花は枝の上部葉腋について花弁5は厚くて基部で合着し、差し渡し5cmほどに開く程度で平開しない。  撮影:(2005.3.20 椎葉村) 画像4 オシベ多数。外側オシベは長さ約4cmのうち下部3分の2は合着して筒状。
撮影:(2007.1.3 西都市)
画像5 メシベは花柱の先が3裂する、オシベの花糸は白い。  撮影:(2008.1.26 西都市) 画像6 花の縦断面画像。全体5cmほどでオシベ長約4cm。  撮影:(2005.3.20 椎葉村)
画像7 子房は上位で無毛、周囲には蜜が溢れている。  撮影:(2007.1.3 西都市) 画像8 (参考)サザンカの子房。短い毛に覆われている。  撮影:(2006.1.9 都農町)
画像9 ごく短い花柄につく苞、ガク片、花弁の境目が移行型になってはっきり区別できないのが最大の特徴。  撮影:(2007.1.26 西都市) 画像10 ガク苞片の外面には伏微毛がある。最上部ガク片は花弁に移行状で赤みもある。
撮影:(2008.1.19 西都市)
画像11 クチクラ層の発達した濃緑色の革質の葉身は、長さ10cmほどで葉柄は約1.2cm。
撮影:(2005.3.20 椎葉村)
画像12 葉縁の鋸歯は上部で少し目立つが低く小さい。 厚い葉は空に透かして見ても葉脈がはっきり見えない。  撮影:(2005.3.20 椎葉村)
画像13 2年枝は褐灰色を帯びて細かい縦筋が出る。葉柄は無毛で基部は枝に入る。
撮影:(2007.1.3 西都市)
画像14  幹は灰褐色で平滑、いかにも硬そうな樹皮には灰白色の円形模様が疎らにつく。  撮影:(2007.1.3 西都市)
画像15 果実は直径3cm近い球形で硬くて、見るからに重そうに垂れ下がる。
撮影:(2006.9.22 日南市)
画像16 果実は寒くなる頃裂開し、りんごを縦に3個前後に切り分けた形の種子(長さ約1.5cm)ともに長く残る。  撮影:(2008.1.5 綾町)
画像17 花は、花弁もオシベも基部で合着しているため、落ちても形が崩れないのがr特徴。
撮影:(2008.1.19 西都市)
画像18 (参考)サザンカの落下した画像。
花弁は離生するので、木の根元にバラバラになって散乱する。  撮影:(2008.1.26木城町)
トップへ 科名リストへ