FILE NO 633 宮崎と周辺の植物
ヤハズアジサイ Hydranger sikokiana Maxim.
矢筈紫陽花 ユキノシタ科
撮影日 2009.7.4
撮影場所 県中部山地

 和名の矢筈は、成葉になると殆どの葉の先が矢筈状に2つに分かれることから来ているが、これは葉の主脈が早く伸長を中止してしまうからだそうで、若い葉は殆どの先端が尖っている。
 紀伊半島以西九州中部以北に自生する日本の固有種で、宮崎では中部以北の薄暗い湿り気のある山中で見られる。
 分布が限られるためかヤハズハンノキはあってもヤハズアジサイの記載がない小図鑑等も多く、花も葉も大ぶりな割りにはヤマアジサイ等に比べて地味だが、葉の形ですぐに判る。   
画像1 樹林下の株から横に広がった枝先についた花はやや汚れた白色で、薄暗い藪の中では目立たない。全景は画像16を参照。
画像2 今年枝の葉の上に大きく伸び出した大きさ20cmほどにもなる散房花序。
撮影:(2009.7.4 県中部 )
画像3 真上から見た花序、多数の両性花は不規則に広がって円状にならない。
     装飾花は疎らで周囲を不規則に囲む。  撮影:(2008.7.21県北部 )
画像4 散房花序の下の枝が大きな角度で開いて広がる。縁には2〜3cmの柄が伸びて装飾花がつく。 撮影:(2009.7.4 県中部) 画像5 下から見上げた大きな散房花序。花は花弁が開く花と開かずに落ちる花とがあるようだ。
撮影:(2008.7.21 県北部 )
画像6 両性花。花弁が開く花は長さ3ミリほどの長卵形の白い花弁が4〜5個、長さ5ミリほどのオシベ8〜10個からなる。 撮影:(2009.7.4 県中部) 画像7 黄色い花盤の中心からメシベの花柱が3個、縁から長さ1cmほどのメシベ10個が開出している。 撮影:(2008.7.21 県北部)
画像8 普通はメシベ柱頭は2個。花筒は上部が広がった椀状で大きさはせいぜい幅2ミリほど。
撮影:(2008.7.21 県北部)
画像9 装飾花は指し渡し2cmほどの緑色を帯びたガク(ガク片4個)の中央に小規模な花がつく。
撮影:(2008.7.21 県北部)
画像10 (ほぼ実態に近い色の葉) 対生する葉身は大きいものは28cmほどにもなる
     先が2裂する長楕円形で、縁は多くの鋸歯を作りながら数ヵ所で浅裂する。
 撮影:(2008.7.21 県北部)
画像11 先端が大きく2裂した葉。幅は最大箇所で23cmほどもあり、両面とも脈上に毛がある。
撮影:(2008.7.21 県北部)
画像12 フラッシュで撮影した葉序の画像。下方の葉柄は長さ30cmにもなる。
撮影:(2008.7.21 県北部)
画像13 下面の葉身基部。葉柄、主脈には毛が密生している。  撮影:(2008.7.21 県北部) 画像14 枝と葉柄基部の毛。白くて硬い伏毛が密生してざらざらする。 撮影:(2008.7.21 県北部)
画像15 2〜3年枝の樹皮は淡褐色で縦に剥がれるがその先の今年枝の樹皮は淡緑色。
撮影:(2008.9.21 県北部)
画像16 3mほどもある高い株の右側の枝の最先端についた花。普通は枝が接近して葉がもっと混み合っている。  撮影:(2009.7.4 県中部)
画像17 横から見た果序はほぼ典型的な散房形で、右端に装飾花が1つ残ってる。
  撮影:(2008.9.21 県北部)
画像18 果実は直径約2ミリの球形で、切断された上部に高さ約1ミリの花柱2とガク裂片が残っている。
撮影:(2008.9.21 県北部)
画像19 開花時期にも枯れた果実と装飾花のガクは残っているが、果実の切頭部は取れて空洞になっている。  撮影:(2009.7.6 県中部)
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