FILE NO 218 宮崎と周辺の植物
ヤイトバナ(ヘクソカズラ) Paederia scandens (Lour.) Merr.
灸花 アカネ科
撮影日 2012.1.29
撮影場所 宮崎市

ヤイトバナは多くの図鑑でヘクソカズラの別名とされているが、平凡社の日本野生植物図鑑Ⅲでは逆にヘクソカズラがヤイトバナの別名として扱われている。
 万葉集にもクソカズラ(屎蔓)で出てくるほど古くから知られた蔓植物で、日本全土~中国、フィリピン辺りまで分布することもあり、歴史的に由緒ある呼び名ではあるが、和名の命名規約等はないともいうので、日本的な美意識の表現の観点からも和名ヤイトバナに賛意を表したい。
 ヤイトバナの果実がしもやけに効くことはよく知られている。
画像1 落葉後も丈夫な細い蔓にギッシリとついたまま越冬した果実 全体に独特の異臭がある
画像2 川岸の護岸ブロックを覆った蔓は互いに絡み合って長さ不明。
撮影:(2001.9.9  宮崎市) 
画像3 花序は葉腋から集散状に伸びて疎らな間隔で多くの花がつく。
撮影:(2005.9.3 宮崎市) 
     
画像4 花は長さ1cmほどの灰白色筒型で、先は浅く5裂して平開する。撮影:(2008.7.13 宮崎市)  画像5 花冠の喉部と内部は暗紅色で花冠内のオシベ等は見えにくい。 撮影:(2008.7.13  宮崎市) 
画像6 対生する葉の長さは普通5~6cmだが幅ともに変化が大きい。葉柄も長さ3~4cmある。
撮影:(2008.7.13 宮崎市) 
画像7 葉は細長い卵形で先が尖って柔らかく少し短毛がある。成葉では縁がやや波打つ。
撮影:(2005.1.10  宮崎市) 
画像8 柔軟で丈夫な細い蔓の葉痕の横には、葉柄基部にあった葉間托葉の発達した突起がある。 撮影:(2005.1.10 宮崎市 )  画像9 蔓の基部~太い部分にかけては、所どころに肥大部がある。表皮は縦にヒビ割れて剥げる。撮影:(2012.1.23  宮崎市) 
画像10 果実は直径2cmほどの核果で晩秋に黄褐色に熟して、年を越した後も長い間残る。 
撮影:(2012.1.23  宮崎市)
画像11 核果の表皮には縦に10本の線が走る。中に半球形の種子2個がある。
撮影:(2012.1.23 宮崎市) 
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