FILE NO 365 宮崎と周辺の植物
ヤマブキ Kerria japonica (L.) DC.
山吹 バラ科
撮影日 2004.5.11
撮影場所 県北部

 宮崎では、県北部の山地に自生するが、北海道から九州まで幅広く分布する。
 日本の花であり、花の良さや栽培のし易さ等を考えると、もっと幅広く一般家庭の住宅にも植えられても良さそうだが、案外と少ないのは、何故だろうか。花言葉は、崇高、待ちかねるとある。
 太田道灌の逸話もあり、このページの構成では、果実に拘った。 
画像1 頭上の照葉樹に光を遮られた山道の傾斜地、2mほどに垂れ下がった株から伸びた枝先で鮮黄色に輝く花をつけているヤマブキ。
画像2 周囲の新緑を写したような緑の葉、緑の枝、その中で目にも鮮やかな黄金色は昔は庭園にも多く植えられたりしていたそうで、歌に詠まれ親しまれてきた。 画像3 花は直径3〜5cm、倒卵形の花弁は5個で大きさにばらつきがあるが、先は丸いか少し凹む。花柄は1cm前後あり、5個の萼片は楕円形をした4ミリほどの長さで最後まで残る。
画像4 オシベは多数で、花糸も葯も黄色、花弁の基のメシベ5個も含めて全て黄色。 花は直径3〜5cmほどで平開する。
(撮影:2002.3.31県北部)
画像5 幹は数本が叢生してきれいな緑色だが、基部は木質になって茶褐色となる。
(撮影:2004.9.11県北部)
画像6 葉は薄く、長さ3〜7cm、幅2〜4cmほどの狭卵形で、先が尾状に伸びる。以下、画像に撮影場所がないものは、持ち帰った小さな枝を 2004.9.12 自宅で撮影したもの。 画像7 葉の基部は円形で縁は浅裂し、不揃いの重鋸歯となる。脈は葉裏にはっきりと出る。
(撮影:2004.9.12)
画像8 葉は枝の左右に互生し、細い枝はややジグザグ状に伸びて垂れ、小さな風にも良くゆれる。
(撮影:2004.9.11県北部)
画像9 果実は、5月に咲いた花が4〜5ヶ月かけて少しずつ大きくなり、初めの薄い緑色から熟して暗褐色になる。(撮影:2004.9.11県北部) 
画像10 葉表の重鋸歯。(撮影:2004.9.12) 画像11  熟した果実は5個見えるが、長期の成熟期間中に落ちたりして、5つ残ることは少ない。萼片はまだついている。(撮影:2004.9.12)
画像12 長さ4ミリほどのヤマブキの果実。
(撮影:2004.9.11)
画像13 果実(黒色)と中の種子(右側)、手前は半分に割れた種子。(撮影:2004.9.11)
画像14 茎の髄、茎径は9ミリ、髄の径は5ミリほどある。髄を押し出した茎はストロー代わりにして遊んだり(おばあさんの植物図鑑-椎葉村の椎葉クニ子さんの聞き書き-斉藤政美氏著1995年葦書房)、髄は弾力性がありヤマブキ鉄砲の弾にして遊ぶなど子供の遊び道具でもあったという。 (撮影:2004.9.12) 画像15 取り出した髄を半分に切り、片方を水に1時間浸した時の写真で、右が水を吸って膨らんだ髄。
(酒中花)特にシロヤマブキの髄は大きいので、この髄を花の形に作って乾燥しておき、杯の中に入れて酒を注ぐと水気を吸って花が開く(図解植物観察事典 地人書館 1982年)というが、杯程度の大きさならあり得る話だ。(撮影:2004.9.12)
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