FILE NO 518 宮崎と周辺の植物
ヤマグルマ Trochodendron aralioides Sieb. et Zucc.
山車 ヤマグルマ科
撮影日 2005.8.7
撮影場所 諸塚村

 ヤマグルマ(山車)の学名はシーボルトが、オシベと子房が車状になる形から「Trochos:車輪」と「dendron:樹木」とつけたらしい(牧野図鑑参照)。 日本、台湾、中国に自生する樹木で、普通被子植物にはある道管がなくて無道管被子植物と呼ばれ、1属1種の樹木となっている。
 今では殆ど昔話になった鳥もちに使える木として、数ある木の中でも「本モチ」として広く知られ、国内では山形県から南の沖縄まで、宮崎では山地で見られる。
画像1 まだ未熟な8月の果実。和名ヤマグルマは、牧野図鑑をはじめとする図鑑に、枝先につく葉が車輪状になるからと説明されている。
画像2 登山道中腹の岩場の崖下から生えているヤマグルマ。
        木の高さは10m以上はありそう。撮影:(2005.5.14 諸塚村)
画像3 花が終了して果実になった頃の枝の様子。
撮影:(2005.5.28 五ヶ瀬町)
画像4 車輪状になった枝先に展開した花序。
撮影:(2005.5.14 諸塚村)
画像5 高さ10〜13cmほどの総状花序についた花にはガクも花弁もない。
   中央に黒緑色に見える5〜10個のメシベ(心皮)は合着して平たい
     壺状になり、その周囲に多くの淡黄色のオシベが車輪状に広がるが、
この画像では殆どのオシベは下向きに垂れている。
撮影:(2005.5.14 諸塚村)
画像6 花は直径1cmほど、心皮の周囲に広がる細い花糸の先についた楕円状の葯は長さ1ミリ強。
撮影:(2005.5.14 諸塚村)
画像7 果実は心皮(メシベ)の数だけの袋果が、直径1cmほどの集合果となり、上端には角のように見える、取れずに残ったままの花柱がある。
撮影:(2005.5.28 五ヶ瀬町)
画像8 葉の上面。無毛で厚く革質、主脈も側脈も凹凸がなくあまり目立たない。縁には鈍い鋸歯があり先は少し突き出て尖る。葉柄は5〜6cmにもなる。撮影:(2005.8.7 諸塚村) 画像9 葉の下面。緑白色で主脈と側脈との角度は葉柄に近いほど狭くなる(30度〜40度)。
網脈は葉の下面で確認できる。
撮影:(2005.8.7 諸塚村)
画像10 枝先に出る葉は互生するが輪状に開出する。冬芽は葉も花も包み込んだ混芽で葉に比例して大きい。撮影:(2004.4.30 諸塚村) 画像11 画像10に比べて、この時期にはもう展開した新葉が目立ち、混芽もはっきりしている。
撮影:(2005.8.7 諸塚村)
画像12 裂開して種子を出した後の独特の形をした空の袋果、集合していた心皮の数が判る。
撮影:(2004.3.20 諸塚村)
画像13 樹皮は黒みを帯びた灰褐色で、目立つような裂け目もなく小さな皮目がある。
撮影:(2005.8.16 諸塚村)
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